もしもの時にAランク冒険者である2人の協力を得られるのはとてもありがたい。
王都の冒険者ギルドに貸しを作るつもりだったのだが、ベルナさんとフェリーさん達も協力してくれるならとても心強いな。
最初にAランク冒険者がこの店にやってきたときはどうなることかと思ったが、結果的には良い結果で終わってなによりだ。
「それでは方位磁石は明日までに用意しておきます。代金はその際にお願いします」
「承知しました。よろしくお願いします」
正直に言えば、アウトドアショップの能力で今すぐ方位磁石100個を用意することは可能なのだが、俺の能力までこの2人に教える気はないので、倉庫から準備するという形で明日渡すことになった。
「テツヤ、閉店作業が終わったよ」
「ああ、ちょうどこっちも話が終わったところだよ。こっちも下に行くからちょっと待ってて」
「了解だよ」
「テツヤさん、お時間を頂戴してすみませんでした。私達もこれで失礼しますね」
「……リリア、私達は明日までこの街にいる。明日は一緒にどこかへ遊びに行きたい」
「すまない、フェリー。明日の午前中はこのお店の従業員での予定があるんだ。午後からなら空いているから、喜んで一緒に出掛けるぞ」
そういえば明日の午前中はアンジュの歓迎会を行う予定だったな。
しかし本当に何ヵ月かぶりの友人に会うのなら、そっちを優先したほうがいい。アンジュの歓迎会は日をずらせばいいだけだしな。
「せっかく遠くから来てくれたんだし、そっちを優先したほうがいいよ。みんなには日を改められないか聞いてみるから」
「だったら、そちらの2人も一緒に参加すればいいんじゃない?」
「えっ!?」
いつの間にかランジェさんが部屋の中に入ってきていた。
「初めまして『灼熱帝のベルナ』さん、『蒼翠嵐のフェリー』さん。Bランク冒険者のランジェと申します。明日はこの店の従業員で食事会をするのですが、もしよろしければお2人も参加していただけませんか?」
いつもの軽い感じではなく、姿勢を正しつつ、紳士的な口調で2人に話しかけるランジェさん。
男の俺から見てもマジでカッケーと思う。普段のランジェさんの態度とのギャップによってなおさらだ。なんだかランジェさんの背景に漫画みたいなキラキラとした背景まで見える気がする。
「いえ、お誘いはとても嬉しいのですが、さすがにお店の方達の食事会に私達がご一緒するのはちょっと……」
キラキラとしたランジェさんのお誘いをバッサリと断るベルナさん。
ベルナさん美人でモテそうだしなあ。ランジェさんみたいなイケメンからのお誘いも結構ありそうだもんな。
ブンッブンッ
フェリーさんにいたってはものすごい拒絶の仕方だ。結構人見知りする性格っぽいもんな。
「おお、それは良い考えだな! 2人とも良かったらぜひ参加してくれないか? テツヤが作る料理は王都の高級店の料理に負けないくらいおいしいぞ!」
ちょっとそこのリリアさん!? 今断りそうな雰囲気だったじゃん! それに料理のハードルを上げるのはやめてくれませんかね!
俺の料理がおいしいというわけではなく、アウトドアショップで購入した食品や調味料がおいしいだけだからね。
「リリアがそこまで褒めるなんて珍しいですわね……」
「……気にはなる」
あれ、もしかしてリリアって味にうるさかったりするのか? 出会った当初から俺の料理をおいしいと褒めてくれていたな。まあ、あれはアウトドアスパイスとか日本の調理法のおかげだけど。
2人も満更でもなくなってきたようだ。2人ともおいしいものには目がなかったりするのかな。
「ですが、他の方もいらっしゃるようですし、私達がお邪魔しては……」
「大丈夫ですよ! みんな王都で有名な冒険者であるおふたりと話ができるのは間違いなく喜びますから! すぐにみんなに聞いてきますね!」
「あっ、ランジェさん」
俺が引き留める間もなく、ランジェさんは下にいるみんなに聞きに行った。そしてドルファとアンジュ、フィアちゃんの許可をすぐに取ってきて2人の参加が決定した。
「あの2人ってそんなに有名な冒険者だったんだ?」
「有名も有名、超有名な冒険者だよ! 実力でも知名度でも王都では5本の指に入るほどの冒険者だよ!」
「フィアも知っているよ! ドラゴンを倒した冒険者さんだよね。あちこちで噂になっているよ!」
ランジェさんだけじゃなくてフィアちゃんまで知っているのか。
ドラゴンスレイヤー……やっぱりこの世界にもドラゴンはいるらしい。まじかあ二つ名にドラゴンスレイヤーか、そりゃ有名なわけだよ。
「Aランク冒険者をこの目で見たのは初めてだ。やはり超一流の冒険者は他の者とは一味違う。俺も元冒険者として少し話がしてみたい」
「私もいろんなところで噂は聞いていますよ。実際にお会いできるなんてとても光栄です! 私もぜひお話してみたいです」
ドルファとアンジュも2人が参加しても問題ないらしい。こちらの世界だと有名な冒険者は元の世界でいうアイドルみたいな存在なのかもしれない。
……この街の冒険者ギルドマスターのライザックさんも元Aランク冒険者だったはずなんだけどな。良い人なんだけれど、やはり強さと人気は別のようだ。
まあみんなが大丈夫というなら、2人が参加しても問題はないだろう。リリアがあんなに褒めてくれたのだから、その期待には応えるようにするとしよう。
王都の冒険者ギルドに貸しを作るつもりだったのだが、ベルナさんとフェリーさん達も協力してくれるならとても心強いな。
最初にAランク冒険者がこの店にやってきたときはどうなることかと思ったが、結果的には良い結果で終わってなによりだ。
「それでは方位磁石は明日までに用意しておきます。代金はその際にお願いします」
「承知しました。よろしくお願いします」
正直に言えば、アウトドアショップの能力で今すぐ方位磁石100個を用意することは可能なのだが、俺の能力までこの2人に教える気はないので、倉庫から準備するという形で明日渡すことになった。
「テツヤ、閉店作業が終わったよ」
「ああ、ちょうどこっちも話が終わったところだよ。こっちも下に行くからちょっと待ってて」
「了解だよ」
「テツヤさん、お時間を頂戴してすみませんでした。私達もこれで失礼しますね」
「……リリア、私達は明日までこの街にいる。明日は一緒にどこかへ遊びに行きたい」
「すまない、フェリー。明日の午前中はこのお店の従業員での予定があるんだ。午後からなら空いているから、喜んで一緒に出掛けるぞ」
そういえば明日の午前中はアンジュの歓迎会を行う予定だったな。
しかし本当に何ヵ月かぶりの友人に会うのなら、そっちを優先したほうがいい。アンジュの歓迎会は日をずらせばいいだけだしな。
「せっかく遠くから来てくれたんだし、そっちを優先したほうがいいよ。みんなには日を改められないか聞いてみるから」
「だったら、そちらの2人も一緒に参加すればいいんじゃない?」
「えっ!?」
いつの間にかランジェさんが部屋の中に入ってきていた。
「初めまして『灼熱帝のベルナ』さん、『蒼翠嵐のフェリー』さん。Bランク冒険者のランジェと申します。明日はこの店の従業員で食事会をするのですが、もしよろしければお2人も参加していただけませんか?」
いつもの軽い感じではなく、姿勢を正しつつ、紳士的な口調で2人に話しかけるランジェさん。
男の俺から見てもマジでカッケーと思う。普段のランジェさんの態度とのギャップによってなおさらだ。なんだかランジェさんの背景に漫画みたいなキラキラとした背景まで見える気がする。
「いえ、お誘いはとても嬉しいのですが、さすがにお店の方達の食事会に私達がご一緒するのはちょっと……」
キラキラとしたランジェさんのお誘いをバッサリと断るベルナさん。
ベルナさん美人でモテそうだしなあ。ランジェさんみたいなイケメンからのお誘いも結構ありそうだもんな。
ブンッブンッ
フェリーさんにいたってはものすごい拒絶の仕方だ。結構人見知りする性格っぽいもんな。
「おお、それは良い考えだな! 2人とも良かったらぜひ参加してくれないか? テツヤが作る料理は王都の高級店の料理に負けないくらいおいしいぞ!」
ちょっとそこのリリアさん!? 今断りそうな雰囲気だったじゃん! それに料理のハードルを上げるのはやめてくれませんかね!
俺の料理がおいしいというわけではなく、アウトドアショップで購入した食品や調味料がおいしいだけだからね。
「リリアがそこまで褒めるなんて珍しいですわね……」
「……気にはなる」
あれ、もしかしてリリアって味にうるさかったりするのか? 出会った当初から俺の料理をおいしいと褒めてくれていたな。まあ、あれはアウトドアスパイスとか日本の調理法のおかげだけど。
2人も満更でもなくなってきたようだ。2人ともおいしいものには目がなかったりするのかな。
「ですが、他の方もいらっしゃるようですし、私達がお邪魔しては……」
「大丈夫ですよ! みんな王都で有名な冒険者であるおふたりと話ができるのは間違いなく喜びますから! すぐにみんなに聞いてきますね!」
「あっ、ランジェさん」
俺が引き留める間もなく、ランジェさんは下にいるみんなに聞きに行った。そしてドルファとアンジュ、フィアちゃんの許可をすぐに取ってきて2人の参加が決定した。
「あの2人ってそんなに有名な冒険者だったんだ?」
「有名も有名、超有名な冒険者だよ! 実力でも知名度でも王都では5本の指に入るほどの冒険者だよ!」
「フィアも知っているよ! ドラゴンを倒した冒険者さんだよね。あちこちで噂になっているよ!」
ランジェさんだけじゃなくてフィアちゃんまで知っているのか。
ドラゴンスレイヤー……やっぱりこの世界にもドラゴンはいるらしい。まじかあ二つ名にドラゴンスレイヤーか、そりゃ有名なわけだよ。
「Aランク冒険者をこの目で見たのは初めてだ。やはり超一流の冒険者は他の者とは一味違う。俺も元冒険者として少し話がしてみたい」
「私もいろんなところで噂は聞いていますよ。実際にお会いできるなんてとても光栄です! 私もぜひお話してみたいです」
ドルファとアンジュも2人が参加しても問題ないらしい。こちらの世界だと有名な冒険者は元の世界でいうアイドルみたいな存在なのかもしれない。
……この街の冒険者ギルドマスターのライザックさんも元Aランク冒険者だったはずなんだけどな。良い人なんだけれど、やはり強さと人気は別のようだ。
まあみんなが大丈夫というなら、2人が参加しても問題はないだろう。リリアがあんなに褒めてくれたのだから、その期待には応えるようにするとしよう。