ソファに座り司はラギルノとガルディスを待ちながらクッキーを食べていた。

 すると部屋にラギルノが入って来てソファに座る。

 そのあとからガルディスが部屋に入りソファに座った。

 美咲は新しいお茶とお菓子を持ち部屋の中に入る。その後お茶やお菓子をテーブルに置き司の脇に座った。

 「青が受ける方で赤は受けない方だ」

 「ツカサ……受ける方おおくないか?」

 「ガルディスの言う通りだ。こんなに熟せるとは到底おもえん」

 不安な表情でガルディスとラギルノは司をみる。

 「ああ……一日じゃ無理だろうな。だが数日中には、ここに書かれたものを創る」

 「そうか……ツカサが大丈夫ならいい。そうなると何時ぐらいに受け取りにくればいいんだ?」

 「ラギルノ……明日には無理だ。早くても二日後以降になる」

 それを聞きラギルノとガルディスは分かったと頷いた。

 「そうなると二日後以降にくればいいのか?」

 「ガルディス、そうなる。但し、これは飽くまで予定だ。それまでにできているかは分からない」

 「そうか、まあ……定期的にくれば間違いない」

 そうラギルノが言うもガルディスは余り気乗りしないようだ。

 「何度もラギルノとこなければいけないのか……」

 「フンッ、オレだって仕事でなければ……お前となんか一緒に行動したくなんかない!!」

 「おいっ! いい加減にしろ!! 俺だって、お前らなんかと逢いたくもないんだよ」

 二人の言い合いをみて司は堪えられなくなり怒鳴る。

 「そもそも俺たちは、お前らの国の争いに巻き込まれた。それがなければ今ごろ、もしかしたら……」

 今まで堪えていた。言わない方がいいと口に出さないようにしていた思いを二人の言い合いで堪えられず司は吐き出してしまう。

 「司……そうかもしれない。でも、それがなかったとしても……元の世界に帰れたか分からないよ」

 「そ、そうかもしれない。だけど…………クソオォォー……――」

 悔しさの余り司は、ドンッとテーブルを叩いた。

 ラギルノとガルディスは何も言えなくなる。そう司の気持ちが、なんとなく分かるからだ。

 「すまない……それだけじゃない、ミサキにも誤っていなかった。これは国王自ら謝罪するのが筋……だが今となっては無理だ。本当に申し訳ないと思っている」

 過去のことを思い出してしまいガルディスは頭を抱え俯いた。かなり、つらそうである。

 「オレは何も言えん。アレは国だけの責任じゃないと思っている。いやそもそも……その前にオレは、ツカサに負けている。なんで謝る必要がある?」

 流れで謝罪しそうになりラギルノは言い直した。謝らないという事は再戦を目論んでいるのだろう。恐らく負けるのだろうが……。

 「ラギルノ、お前に謝ってくれなんて思ってない。だが散々酷い目に遭わされたことは一生おぼえている。恐らく謝られても、その思いは消えないからな」

 「それでいい。オレは、それだけのことをした。そんなオレが、なんで生きてるのか分からん。だからオレは、ツカサに何度も挑んでいる」

 「ハァー……俺にとっては迷惑だ。だが、まあ……今回は敵じゃない」

 それを聞きラギルノは、コクリと頷いた。

 「そうだな。今は喧嘩をしている場合じゃない」

 「ラギルノ、この前も言ったが……改めて休戦です」

 「ああ……そういう事だ。さて、そろそろ行くか」

 ラギルノは二束の依頼書を持ち立ち上がる。

 それを聞きガルディスも立ち上がった。

 その後、二人は美咲と司に挨拶をすると部屋を出て城へ向かう。

 やっと二人が行ってくれて美咲と司は安堵する。

 すると融けたかのように肩の力が抜け、ヘナヘナとソファにお互い覆い被さるように倒れ込んだ。まあ、その後は想像にお任せします。

 それをみて顔を赤らめ泪は二人に背を向け耳を塞いでいたのだった。