ここはドラギドラスの洞窟。__いや、ドラバルトの洞窟と言った方がいいのか……まあ、それはさておき__
洞窟内は、ドラバルトとマグドラスが放った魔法がぶつかり合いその衝撃により激しく揺れた。
それと共に視界がみえない程の煙が立ち込め、ドサドサと天井が崩れ落ちる。
マグドラスは視界を遮られ煙を払おうとドタドタと暴れていた。
そんな中ドラバルトは、こんな状況下にも拘らず、余裕な表情で笑みを浮かべている。
そして四方八方に飛び交い、先程よりも小さな電気の塊をマグドラスへと幾度となく撃ち込んでいく。
「どうした、どうしたっ! お前の実力はその程度か? いや、そんなはずはない。それとも昔に比べ平和ボケで鈍ったかっ!?」
攻撃もせず暴れているだけのマグドラスに対し不満げに挑発する。
だがマグドラスは、その挑発に乗らず、なぜか暴れるのをやめ大人しくなった。
ドラバルトは、なぜマグドラスが挑発に乗らないのかと不思議に思い攻撃するのをやめる。それと同時に警戒しマグドラスとの距離をとった。そして睨み見据える。
(何を考えている。……だが脳筋のマグドラス。まあ、さほど大したことは考えてないだろう)
そう考えていると視界を遮っていた煙が消えていき、マグドラスの姿が徐々にみえてきた。
「……なっ!?」
ドラバルトは、自分の目を疑い瞼を閉じる。その後、再び目を開き瞳を凝らしジーっとマグドラスをみた。と同時に、額に一滴の汗をかき面倒くさそうな顔でマグドラスをみる。
そうマグドラスが、なぜか大粒の涙を流し大泣きしていたからだ。
マグドラスは、言葉を発することなく目を潤ませドラバルトに視線を向けただただ泣いていた。
「……って、おいっ! なんで泣いてるんだっ!! もしかして……お、俺のせいか?」
そう問うとマグドラスは、ブンブンと首を横に振る。その後、大きな体を地につけるように座り込んだ。と同時に、ドンッと頭を地面に叩きつける。
「め、滅相もございません。いえ、ドラバルト様。気付かなかったとはいえ……数々の失言、申し訳ございません」
「なるほど、やっと俺が本物だと分かったか」
そう言いながらドラバルトはマグドラスに近づいていった。
その後ドラバルトは、マグドラスに今まで何があったのかとここまでの経緯などを説明する。
その頃美鈴は、封印された石の大きな扉に寄りかかり、どうしたらいいのかと考えていた。
だが急に地響きがしなくなり辺りを見回す。
「あれ? 揺れが落ち着いた。ってことは、もう大丈夫ってことかな、」
そう思い傷だらけで痛い体を庇い立ち上がり、よろけながらもドラバルトとマグドラスの方へと向かった。
揺れがおさまったものの時折、ガラガラ、ドサドサと天井から岩石が崩れ落ちる。
そんな中、当たるんじゃないかと冷や冷やしながら向かう。
(どうなったのかな。ドラバルト、勝てたよね……)
そう考え歩きやっとの思いでドラバルトとマグドラスの所に辿り着く。と同時に、目の前の光景をみて驚いた。
「えっ!? ……これって、どうなってるの、」
そうドラバルトとマグドラスが楽しそうに笑い話をしていたからだ。
ドラバルトとマグドラスは美鈴の気配と声に気づき視線を向ける。
「おお、ミスズ来たか。ん? 怪我しているようだな」
そう言うとドラバルトは周りをぐるりと見回す。
「うむ。かなり崩れてるな。これは、少しばかりやりすぎたか」
そう言われ美鈴は、ウンと頷いたあと立っているのが辛く地面に座り込んだ。
それをみたドラバルトは美鈴へと駆け寄る。
「……これは、かなりの傷。だが流石は、召喚された勇者。これほどの傷を負っているにも拘わらず動けるとはな」
そう言い美鈴を抱きかかえた。
「イタっ!!」
美鈴は抱きかかえられ痛さのあまり叫んだ。その後、ドラバルトに視線を向ける。と同時に顔を赤らめた。
だがドラバルトは、美鈴の顔が赤くなったことに気づかない。
「あっ、すまなかった。これは、抱え方が雑すぎだったな。だが、今から治療をする。少し我慢しててくれ」
そう言われ美鈴は、顔を赤くしたまま頷く。
ドラバルトは美鈴に手を翳し呪文を唱える。
《キョルマドリジェル!!》
すると美鈴は、あっという間に傷が癒え回復した。
「これで大丈夫だろう。ミスズ、どうだ動けるか?」
美鈴をみつめ優しくそう問いかける。
「は、はい。え、えっとありがとう、」
そう美鈴はお礼を言うも声が裏返りそうになった。
「あっ、そうだった」
脳裏にエリュードの姿が浮かび美鈴は、ドラバルトに抱えられた手を慌てて解くと少し間合いをとる。
「ん? どうした」
「あーえっと……。そうそう、この状況どうなってるのかなぁと、」
「ああ、なるほど、そういう事か、」
ドラバルトは美鈴が言いたいことを察した。
そう言われ美鈴は、ホッと胸を撫で下ろす。
(はて? なんで、ホッとしたのかな……まあいいか、)
その様子をみるもさほど気にせずドラバルトは、美鈴に何があったのかを説明し始めた。
それを聞き美鈴は、なるほどと納得する。
そしてその後美鈴とドラバルトとマグドラスは、ここから出る方法を話し合うのだった。
洞窟内は、ドラバルトとマグドラスが放った魔法がぶつかり合いその衝撃により激しく揺れた。
それと共に視界がみえない程の煙が立ち込め、ドサドサと天井が崩れ落ちる。
マグドラスは視界を遮られ煙を払おうとドタドタと暴れていた。
そんな中ドラバルトは、こんな状況下にも拘らず、余裕な表情で笑みを浮かべている。
そして四方八方に飛び交い、先程よりも小さな電気の塊をマグドラスへと幾度となく撃ち込んでいく。
「どうした、どうしたっ! お前の実力はその程度か? いや、そんなはずはない。それとも昔に比べ平和ボケで鈍ったかっ!?」
攻撃もせず暴れているだけのマグドラスに対し不満げに挑発する。
だがマグドラスは、その挑発に乗らず、なぜか暴れるのをやめ大人しくなった。
ドラバルトは、なぜマグドラスが挑発に乗らないのかと不思議に思い攻撃するのをやめる。それと同時に警戒しマグドラスとの距離をとった。そして睨み見据える。
(何を考えている。……だが脳筋のマグドラス。まあ、さほど大したことは考えてないだろう)
そう考えていると視界を遮っていた煙が消えていき、マグドラスの姿が徐々にみえてきた。
「……なっ!?」
ドラバルトは、自分の目を疑い瞼を閉じる。その後、再び目を開き瞳を凝らしジーっとマグドラスをみた。と同時に、額に一滴の汗をかき面倒くさそうな顔でマグドラスをみる。
そうマグドラスが、なぜか大粒の涙を流し大泣きしていたからだ。
マグドラスは、言葉を発することなく目を潤ませドラバルトに視線を向けただただ泣いていた。
「……って、おいっ! なんで泣いてるんだっ!! もしかして……お、俺のせいか?」
そう問うとマグドラスは、ブンブンと首を横に振る。その後、大きな体を地につけるように座り込んだ。と同時に、ドンッと頭を地面に叩きつける。
「め、滅相もございません。いえ、ドラバルト様。気付かなかったとはいえ……数々の失言、申し訳ございません」
「なるほど、やっと俺が本物だと分かったか」
そう言いながらドラバルトはマグドラスに近づいていった。
その後ドラバルトは、マグドラスに今まで何があったのかとここまでの経緯などを説明する。
その頃美鈴は、封印された石の大きな扉に寄りかかり、どうしたらいいのかと考えていた。
だが急に地響きがしなくなり辺りを見回す。
「あれ? 揺れが落ち着いた。ってことは、もう大丈夫ってことかな、」
そう思い傷だらけで痛い体を庇い立ち上がり、よろけながらもドラバルトとマグドラスの方へと向かった。
揺れがおさまったものの時折、ガラガラ、ドサドサと天井から岩石が崩れ落ちる。
そんな中、当たるんじゃないかと冷や冷やしながら向かう。
(どうなったのかな。ドラバルト、勝てたよね……)
そう考え歩きやっとの思いでドラバルトとマグドラスの所に辿り着く。と同時に、目の前の光景をみて驚いた。
「えっ!? ……これって、どうなってるの、」
そうドラバルトとマグドラスが楽しそうに笑い話をしていたからだ。
ドラバルトとマグドラスは美鈴の気配と声に気づき視線を向ける。
「おお、ミスズ来たか。ん? 怪我しているようだな」
そう言うとドラバルトは周りをぐるりと見回す。
「うむ。かなり崩れてるな。これは、少しばかりやりすぎたか」
そう言われ美鈴は、ウンと頷いたあと立っているのが辛く地面に座り込んだ。
それをみたドラバルトは美鈴へと駆け寄る。
「……これは、かなりの傷。だが流石は、召喚された勇者。これほどの傷を負っているにも拘わらず動けるとはな」
そう言い美鈴を抱きかかえた。
「イタっ!!」
美鈴は抱きかかえられ痛さのあまり叫んだ。その後、ドラバルトに視線を向ける。と同時に顔を赤らめた。
だがドラバルトは、美鈴の顔が赤くなったことに気づかない。
「あっ、すまなかった。これは、抱え方が雑すぎだったな。だが、今から治療をする。少し我慢しててくれ」
そう言われ美鈴は、顔を赤くしたまま頷く。
ドラバルトは美鈴に手を翳し呪文を唱える。
《キョルマドリジェル!!》
すると美鈴は、あっという間に傷が癒え回復した。
「これで大丈夫だろう。ミスズ、どうだ動けるか?」
美鈴をみつめ優しくそう問いかける。
「は、はい。え、えっとありがとう、」
そう美鈴はお礼を言うも声が裏返りそうになった。
「あっ、そうだった」
脳裏にエリュードの姿が浮かび美鈴は、ドラバルトに抱えられた手を慌てて解くと少し間合いをとる。
「ん? どうした」
「あーえっと……。そうそう、この状況どうなってるのかなぁと、」
「ああ、なるほど、そういう事か、」
ドラバルトは美鈴が言いたいことを察した。
そう言われ美鈴は、ホッと胸を撫で下ろす。
(はて? なんで、ホッとしたのかな……まあいいか、)
その様子をみるもさほど気にせずドラバルトは、美鈴に何があったのかを説明し始めた。
それを聞き美鈴は、なるほどと納得する。
そしてその後美鈴とドラバルトとマグドラスは、ここから出る方法を話し合うのだった。