「柳」
 「ちょっと待って。仲田に伝えたいことある」
 仲田はつぶらな眼差しを向けた。
 「仲田のことが好きです!仲田いつも隣で寄り添ってくれる感じとか、幸せそうな笑顔が頭から離れなくて」
 「柳…。柳のほわっとした優しさとか、温もりが好きです!柳と名のついた関係になりたいです!だから、付き合ってください!」
 「仲田…。自分で良ければ、付き合ってください!」
 一瞬だった。告白って、こんなスピーディーなのか?
 仲田は優しげに微笑んでいる。
 ふと、思った。仲田の感じる優しさや温もりは偽物だと。自分には憎しみしか入っていないと。仲田は、知らない。
 
 でも、大好きな人、一緒にいると楽しいひと、悲しみを分け合える人——。出会えた。それだけで十分幸せだ。