(はるか)ちゃんに出会ったのは、今から五年前。
 あたしが小学五年生のころ。
 この運動公園で、ひとりでドリブルの練習をしていたときのこと。
「まったく、もう。みんなして……」
 そのころのあたしは、小学校のサッカー部に所属してたんだけど――。
 バッ!
 つい足に力がこもっちゃって、ボールが遠くまで飛んでっちゃった。
 ボールの先には人の姿が。
 ボールに気づいたその子は、サッとボールをよけると、あたしのボールを拾ってくれた。
「ごめーん! コントロール、ミスっちゃって」
 あわててあやまりにいくと、
「ううん、いいよ。大丈夫!」
 その子は、ニコッとほほえんだ。
 わぁっ、すごいキレイな子。
 サラサラした栗色の髪が背中のあたりまで伸びてて、きめの細かい白い肌によく似合ってる。
 少し茶色がかった目はお人形さんみたいにパッチリしてて、スッととおった鼻すじに、ピンク色のくちびる。
 ショートカットで、いつも日に焼けてるあたしとは大ちがい。
 この町に、こんな美少女がいたんだぁ……。