遥ちゃんを見つけられないまま、とうとう結果発表の時間になった。
 優勝したのは、市内の男子校のダンスチーム。
 スラッと背の高い、りりしい顔つきの金髪男子がとってもうれしそうにトロフィーを抱えて、チームメイトたちと喜びを分かち合ってる。
 あのひとたちのチーム、優勝したんだ!
 そうだよね、確かにあのひとのダンス、すごくカッコよかったもん。
 優勝なのも納得だ。
 ほんとうは、遥ちゃんが優勝トロフィー持ってるところ、この目で見てみたかったけど……。
 念のため、あたしはそのあと出場していた女子チームに遥ちゃんのことを聞いてまわったけど、どのチームにもそんな名前の子はいないって言われちゃって。
 遥ちゃんなら、約束どおり必ず出場してると思ってたのに。  

 きっと、今回出てなかったのはなにか事情があったんだよね?
 あんなに熱心にダンスに打ちこんでいた遥ちゃんが、夢をあきらめるはずがないもん。
 またいつの日か、あたしの前でクールなダンスを披露してくれるよね?
 あたし、遥ちゃんに見てもらえるように、あのころよりもドリブルもシュートもだいぶレベルアップしたんだよ。
 今度ある試合、遥ちゃんにも観に来てもらいたかったのに。
 なのに――。