コルネリアはじっと小さなレオンハルトを見つめて彼をロックオンする。
 その獲物を狙うような目に危機感を覚えたのか、レオンハルトは心の中で「まずい」と叫んだ。

 彼女が彼を抱きしめようとしたところをするりとかわして逃げていく。

「ああっ! 待ってください、レオンハルト様っ! どうして逃げるんですか!」
「だって、また僕を撫でまわすじゃないか!」
「人聞きが悪いですよ。よしよし、するだけです!!」
「それが撫でまわしてるんだ!!」

 そんな風に言い合いながら部屋の中を走り回るが、結局小さな身体で追いかけっこに勝てるわけもなくあっさりと捕まってしまうレオンハルト。

「ああ~! 可愛いです~! レオンハルト様っ!!」
「おい、先月よりなんか愛情過多じゃないか?」
「そんなことないです。これが正常です」
「いや、むしろこれが正常と胸を張られても困るんだが……」

 まあ、いいか、なんてレオンハルトは彼女の可愛がりを甘んじて受け入れることにした。

(なんたって、久々に触れ合えるんだから。それに、コルネリアを苦しませ僕の罪だ)