それでも考えれば考えるほど、コルネリアの仕草や行動、表情を思い出せば思い出すほどそのようにしか思えなかった。

 レオンハルトはゆっくりとコルネリアのほうに視線を遣ると、ちょうど彼女もこちらを見ていたタイミングで、彼女は目を一瞬見開いてそしてすぐに逸らす。
 これは期待してしまってもいいのか?とレオンハルトはそう思い、屋敷へと戻った──



◇◆◇



「おかえりなさいませ、レオンハルト様、コルネリア様」
「ただいま、テレーゼ」

 すっかり夜になった頃、馬車はヴァイス邸へと無事につき、そしてテレーゼの出迎えを受けていた。
 レオンハルトは執事と一言、二言話すと、テレーゼと話をするコルネリアの手をとった。

「レオンハルト様?」
「テレーゼ、少しコルネリアを借りてもいいかな?」
「奥様がよろしければ、わたくしは問題ございません」
「いいかい? コルネリア」
「……はい、大丈夫です」

 そう言って二人は屋敷の中へと入ると、長い廊下を抜けてレオンハルトの部屋へと向かう。
 パーティー衣装のまま二人は部屋に入ると、レオンハルトはドアをゆっくりと閉めた。