「セーラー服着てた女子とこうやって、バーでカクテル飲んでるなんて、なんだか変な気分だな」
「そうですか。やっとわたしも大人の仲間入りができたわけですよね」
 わたしは嬉しくなった。
「そういえば、有沢は卒業式の日に、わたしに好きなんですなんて、言ってきてな。いや、部活にいるときから、わたしに好意があるのはわかっていたんだけど、なんていうか、女子生徒はわたしにとっては子どもといっしょだから、恋愛対象には入らないんだ」
 由梨は夢破れたわけだ。その腹いせにトラックドライバーとつきあうようになったのだろうか?
「三島は今、フリーなのか?」
 わたしは大林先生のストレートな質問に身を固くした。確かに今は、わたしは大林先生を受け答え次第でものにできる。棚からぼた餅ではないが、わたしも大林先生にには気があった。
 わたしはほろ酔いかげんになった。元来、お酒には強くはなかった。それに、憧れの大林先生に再会したことで、わけもなく緊張してしまい、酔いが思った以上に早かった。
 わたしは気が付いたら、ホテルのベッドの上に寝かされていた。どこかでシャワーを浴びている音がする。
 頭はまだ、ぼんやりとしていたが、ここがラブホテルであることくらいはわかった。
 上半身裸の大林先生がバスタオルで頭を拭きながら出てきた。わたしは初めて大人の男性というものを感じた。そのままわたしは大林先生に抱かれた。
      ★     ★     ★
 タイムカプセルを埋めた時、クラスの全員が立ち会った。
 小さなショベルカーが穴を掘り、クラスのめいめいが書いた手紙をプラスチックケースに収めた。
 掘り出された穴は、ショベルカーによって元通りに戻された。こうして十二年後まで、手付かずのまま手紙は地中に眠ることになる。