その後、裕は晶子おばさんに病気について正直に打ち明けた。
晶子おばさんは話を聞いて、すべて受け止めてくれた。むしろ「なんでこんな大事なことをさっさと言わなかったの!?」としっかり怒られたらしい。自業自得だ。ちょうど、ゴミ箱に病院の明細書が紛れていたのを見つけて、今日にも問い詰めるつもりだったそうだ。私が元いた頃ではそんな話は一つも挙がっていないから、裕が病気を明かしたことがきっかけで未来が少し変わったのかもしれない。
今後は高校、大学ともに事情を伝えたうえで、通院には晶子おばさんも同伴するといった、徹底的なサポートを受けていくことになったという。血は繋がっていなくとも、成人しても子どもは子どもだと言われて、裕は一生頭が上がらないと泣きながら笑っていたらしい。
少しだけでも未来が変わったのなら嬉しいが、これがすべて、私の都合のいい夢で終わるなら杞憂に終わってしまうかもしれない。そう思うと少しばかり胸の奥がつんと痛んだ。