「ちなみに指名クエストって例えばどんなのがあるんでしょうか?」
「そうだな、隊商の護衛とか遺跡の調査とか、普通の討伐以来とか。まぁ色々あるんだけど一番楽なのは食事会だな」
「食事会……? 食事をするんですか?」
「ああそうだぞ。お金持ちのディナーにお呼ばれして、豪勢な食事を食べさせてもらうんだよ」
「……?? それのなにがクエストなんですか??」
アイセルが「よくわかりません」って顔をした。
短期間でレベルがどんどん上がって数々のクエストをクリアし、今やここのギルドで知らない冒険者はいない有名人のアイセルとはいえ、まだまだこの業界のことを深くは知らないからな。
仕方ない、ここは元・勇者パーティの俺が説明してあげよう。
「有名な冒険者パーティを食事会に呼べる俺スゲー、みたいな感じかな。そこで面白い冒険譚を話したりして気に入ってもらえたら、さらにお小遣いまでもらえるんだ。ポンと50万とか100万くらいくれたりする上に、また同じような食事会に呼んでもらえるんだ」
「そ、そんな世界があるんですね……とても冒険者の仕事とは思えません!」
アイセルがビックリして目をぱちくりさせていた。
「例えばだけどアイセルが駆け出しのころに荷物運びとかをして苦労した話は、多分受けるんじゃないかな」
美人で凄腕のエルフの魔法戦士が、実は最初の頃はへっぽこで日々の生活にも苦労してた――うん、これはセレブなオジサマ・オバサマ方に受けるぞ、間違いない!
「そんなものなんですね」
「ちなみに俺は割といろんな話ができるぞ。仲間の戦いをただ後ろで見てるばかりのバッファーは、つまり常に戦場全体を俯瞰して見ているわけだからな」
「えっと、はい、そうかも、ですね……?」
俺のやや自虐の入ったネタに、アイセルは言葉を濁してそっと目をそらした。
「まぁこれに関してはバッファーという職業の特権というか、勇者パーティの戦闘中に起こったあれやこれやを一番間近で見てきたからな」
なので食事会や講演会の依頼があればいつでもお受けしますので、なにとぞよろしくお願いします!
「ふへぇ……わたしの知らないことばかりなんですね……勉強になります!」
――その後。
臭い俺のせいで通りかかった馬車にすら乗せてもらえなかったために一晩野営してから、俺たちは翌日の夕方に冒険者ギルドへと帰り着いた。
報告をアイセルにしてもらって(臭い俺はギルドの中に入れてもらえなかった)、俺は2時間ほどかけて必死に身体を洗ってクサヤ・スカンクのフンの臭いをあらかた洗い流してから、やっとの思いで宿へと戻ったのだった。
「ああ……臭くないっていいな、うん……人間に戻った気がする……」
この段階まで来てやっとこさ、俺はホッと一息つくことができたのだった。
【ケースケ(バッファー) レベル120】
・スキル
S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル(魔法戦士) レベル29→32】
・スキル
『光学迷彩』レベル21
『気配遮断』レベル7
『索敵』レベル21
『気配察知』レベル28
『追跡』レベル1
『暗視』レベル1
『鍵開け』レベル1
『自動回復』レベル1
『気絶回帰』レベル7
『状態異常耐性』レベル7
『徹夜耐性』レベル7
『耐熱』レベル7
『耐寒』レベル7
『平常心』レベル1
『疲労軽減』レベル28
『筋力強化』レベル28
『体力強化』レベル28
『武器強化』レベル28
『防具強化』レベル28
『居合』レベル28
『縮地』レベル28
『連撃』レベル28
『乱打』レベル28
『会心の一撃』レベル28
『武器投擲』レベル28
『真剣白刃取り』レベル28
『打撃格闘』レベル28
『当身』レベル28
『関節技』レベル28
『受け流し』レベル28
『防御障壁』レベル14
『クイックステップ』レベル28
『空中ステップ』レベル28
『視線誘導』レベル28
『威圧』レベル14
『集中』レベル28
『見切り』レベル28
『直感』レベル28
『心眼』レベル28
『弱点看破』レベル14
『武器破壊』レベル1
『ツボ押し』レベル28
「そうだな、隊商の護衛とか遺跡の調査とか、普通の討伐以来とか。まぁ色々あるんだけど一番楽なのは食事会だな」
「食事会……? 食事をするんですか?」
「ああそうだぞ。お金持ちのディナーにお呼ばれして、豪勢な食事を食べさせてもらうんだよ」
「……?? それのなにがクエストなんですか??」
アイセルが「よくわかりません」って顔をした。
短期間でレベルがどんどん上がって数々のクエストをクリアし、今やここのギルドで知らない冒険者はいない有名人のアイセルとはいえ、まだまだこの業界のことを深くは知らないからな。
仕方ない、ここは元・勇者パーティの俺が説明してあげよう。
「有名な冒険者パーティを食事会に呼べる俺スゲー、みたいな感じかな。そこで面白い冒険譚を話したりして気に入ってもらえたら、さらにお小遣いまでもらえるんだ。ポンと50万とか100万くらいくれたりする上に、また同じような食事会に呼んでもらえるんだ」
「そ、そんな世界があるんですね……とても冒険者の仕事とは思えません!」
アイセルがビックリして目をぱちくりさせていた。
「例えばだけどアイセルが駆け出しのころに荷物運びとかをして苦労した話は、多分受けるんじゃないかな」
美人で凄腕のエルフの魔法戦士が、実は最初の頃はへっぽこで日々の生活にも苦労してた――うん、これはセレブなオジサマ・オバサマ方に受けるぞ、間違いない!
「そんなものなんですね」
「ちなみに俺は割といろんな話ができるぞ。仲間の戦いをただ後ろで見てるばかりのバッファーは、つまり常に戦場全体を俯瞰して見ているわけだからな」
「えっと、はい、そうかも、ですね……?」
俺のやや自虐の入ったネタに、アイセルは言葉を濁してそっと目をそらした。
「まぁこれに関してはバッファーという職業の特権というか、勇者パーティの戦闘中に起こったあれやこれやを一番間近で見てきたからな」
なので食事会や講演会の依頼があればいつでもお受けしますので、なにとぞよろしくお願いします!
「ふへぇ……わたしの知らないことばかりなんですね……勉強になります!」
――その後。
臭い俺のせいで通りかかった馬車にすら乗せてもらえなかったために一晩野営してから、俺たちは翌日の夕方に冒険者ギルドへと帰り着いた。
報告をアイセルにしてもらって(臭い俺はギルドの中に入れてもらえなかった)、俺は2時間ほどかけて必死に身体を洗ってクサヤ・スカンクのフンの臭いをあらかた洗い流してから、やっとの思いで宿へと戻ったのだった。
「ああ……臭くないっていいな、うん……人間に戻った気がする……」
この段階まで来てやっとこさ、俺はホッと一息つくことができたのだった。
【ケースケ(バッファー) レベル120】
・スキル
S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル(魔法戦士) レベル29→32】
・スキル
『光学迷彩』レベル21
『気配遮断』レベル7
『索敵』レベル21
『気配察知』レベル28
『追跡』レベル1
『暗視』レベル1
『鍵開け』レベル1
『自動回復』レベル1
『気絶回帰』レベル7
『状態異常耐性』レベル7
『徹夜耐性』レベル7
『耐熱』レベル7
『耐寒』レベル7
『平常心』レベル1
『疲労軽減』レベル28
『筋力強化』レベル28
『体力強化』レベル28
『武器強化』レベル28
『防具強化』レベル28
『居合』レベル28
『縮地』レベル28
『連撃』レベル28
『乱打』レベル28
『会心の一撃』レベル28
『武器投擲』レベル28
『真剣白刃取り』レベル28
『打撃格闘』レベル28
『当身』レベル28
『関節技』レベル28
『受け流し』レベル28
『防御障壁』レベル14
『クイックステップ』レベル28
『空中ステップ』レベル28
『視線誘導』レベル28
『威圧』レベル14
『集中』レベル28
『見切り』レベル28
『直感』レベル28
『心眼』レベル28
『弱点看破』レベル14
『武器破壊』レベル1
『ツボ押し』レベル28