その日も、テキトーに選んだコンビニのご飯をただ口に運び、咀嚼し、飲み込むという食事という名の儀式を行っていた。テレビでは、何かの音楽番組がやっていたけど、無音をかき消すためだけのBGMに過ぎなかった。有名プロデューサーが新しいアイドルグループを作り、そのグループが初めてのテレビ出演をするということらしい。詳しくは知らない。そんなに興味もない。ただ何気なくその目線がそっちにいっただけだ。デビューしたてだからか、ほとんど垢抜けない、芋っぽい女の子たちが、アイドルというのにニコリともせず歌い、踊っていた。なぜだか目が離せなくなった。センターで踊っている子の手首には、大きな傷があった。その子たちの出番が終わり、気づけばそのグループについて、センターで踊っていたその女の子について調べていた。


