あっという間に月日は流れ、共通テストが無事に終わりを告げた。
去年の母校での受験と違い、今年は指定された試験場での受験だ。場所に慣れるまでずいぶん時間がかかった。それに緊張感が去年と比べても桁違いだ。「ここで失敗したら来年はどうなるのか」というプレッシャーに圧迫された。
しかし、試験が始まってしまえば全ては杞憂に終わった。
最初の科目である『地理』が、自分の得意分野だったのが良かった。去年に比べてスムーズに解け、緊張感が一気になくなった。そのまま波に乗り、ベストを尽くすことができた。
「おじゃましまーす」
朝。身支度を終え、リビングでくつろいでいると誠が家へとやってきた。
「どうぞ。中に入って」
私は玄関の戸を開け、中へと通す。
「変わらないね」
リビングに入った誠は部屋を見渡しながらポツリと呟く。
誠が自宅にやってくるのは10ヶ月ぶりだ。その間、私は受験勉強に勤しみ、両親もいつものように仕事をしていた。だから模様を替えたり、買ってきた物を置くなんてことはないため部屋が変わるはずもなかった。
「適当に椅子に座って。今、紅茶を出すから」
事前に沸かしておいた湯をティーバックの入ったカップに注ぐ。紅茶が浸透したところで砂糖を入れ、甘くする。私たち二人ともまだ子供舌の甘党だ。
紅茶の入ったカップをテーブルに置き、いつものように誠の向かいに腰掛ける。
これから私たちは共通テストの答え合わせを2人で行う。
去年は2人で答えを見ながら一緒に正否の確認をしていた。今年は私一人のため誠が回答を教えて私が正否を確認することにした。
少しでも不安を癒せるように誠が提案してくれたのだ。私としても孤独な正否確認よりかは一緒にいてくれた方が心強い。だから喜んで誠の提案を呑んだ。
「それじゃあ、まずは地理から行こうか」
「うん」
2日目に影響が出ないように1日目の科目も答えを見ていない。
試験を受けた順番に答え合わせをする方向で進めていく。
「まずは第一問の設問1、答えは1」
「よし、合っている!」
誠が言う数字を聞いて問題用紙に書いた答えと照らし合わせる。合っていたので丸をつけた。誠は続けて残りの設問の答えを言っていく。設問と答えの数字を逆に言ったり、見ているところが違って別の数字を言ったりと誠の言葉に不安を抱きながらも正否確認を行っていく。
「ふー、終わったー。なかなかいいんじゃない!」
全ての正否確認を終えて、私は確かな感触を得ていた。
二次試験科目である数学、英語、生物、それから元々得意な地理は9割。それ以外は8割と言う結果だった。
「全体を通して8割後半。去年の俺より全然良い成績だよ!」
「だてに1年勉強し続けてないからね」
不安が消え、希望が出てきたことで互いに笑顔を合わせる。
ひとまず、第一関門は好成績で突破した。しかし、まだまだ気を抜くわけにはいかない。一次で良い結果を残せても、二次でずっこけたら、その時点で合格は見えないのだ。
私は再び気を引き締めて、午後からは二次の対策に臨んだ。
去年の母校での受験と違い、今年は指定された試験場での受験だ。場所に慣れるまでずいぶん時間がかかった。それに緊張感が去年と比べても桁違いだ。「ここで失敗したら来年はどうなるのか」というプレッシャーに圧迫された。
しかし、試験が始まってしまえば全ては杞憂に終わった。
最初の科目である『地理』が、自分の得意分野だったのが良かった。去年に比べてスムーズに解け、緊張感が一気になくなった。そのまま波に乗り、ベストを尽くすことができた。
「おじゃましまーす」
朝。身支度を終え、リビングでくつろいでいると誠が家へとやってきた。
「どうぞ。中に入って」
私は玄関の戸を開け、中へと通す。
「変わらないね」
リビングに入った誠は部屋を見渡しながらポツリと呟く。
誠が自宅にやってくるのは10ヶ月ぶりだ。その間、私は受験勉強に勤しみ、両親もいつものように仕事をしていた。だから模様を替えたり、買ってきた物を置くなんてことはないため部屋が変わるはずもなかった。
「適当に椅子に座って。今、紅茶を出すから」
事前に沸かしておいた湯をティーバックの入ったカップに注ぐ。紅茶が浸透したところで砂糖を入れ、甘くする。私たち二人ともまだ子供舌の甘党だ。
紅茶の入ったカップをテーブルに置き、いつものように誠の向かいに腰掛ける。
これから私たちは共通テストの答え合わせを2人で行う。
去年は2人で答えを見ながら一緒に正否の確認をしていた。今年は私一人のため誠が回答を教えて私が正否を確認することにした。
少しでも不安を癒せるように誠が提案してくれたのだ。私としても孤独な正否確認よりかは一緒にいてくれた方が心強い。だから喜んで誠の提案を呑んだ。
「それじゃあ、まずは地理から行こうか」
「うん」
2日目に影響が出ないように1日目の科目も答えを見ていない。
試験を受けた順番に答え合わせをする方向で進めていく。
「まずは第一問の設問1、答えは1」
「よし、合っている!」
誠が言う数字を聞いて問題用紙に書いた答えと照らし合わせる。合っていたので丸をつけた。誠は続けて残りの設問の答えを言っていく。設問と答えの数字を逆に言ったり、見ているところが違って別の数字を言ったりと誠の言葉に不安を抱きながらも正否確認を行っていく。
「ふー、終わったー。なかなかいいんじゃない!」
全ての正否確認を終えて、私は確かな感触を得ていた。
二次試験科目である数学、英語、生物、それから元々得意な地理は9割。それ以外は8割と言う結果だった。
「全体を通して8割後半。去年の俺より全然良い成績だよ!」
「だてに1年勉強し続けてないからね」
不安が消え、希望が出てきたことで互いに笑顔を合わせる。
ひとまず、第一関門は好成績で突破した。しかし、まだまだ気を抜くわけにはいかない。一次で良い結果を残せても、二次でずっこけたら、その時点で合格は見えないのだ。
私は再び気を引き締めて、午後からは二次の対策に臨んだ。