チュンチュンチュン・・・
チュンチュン・・・

「小鳥〜?小鳥〜〜?」

ガチャ…

ゆさゆさ…

「・・・んっ....」

「小鳥!また仕事場で寝たんだろ〜」
「ダメって言ったでしょ〜!」

「・・・んぅ・・・」
「あっ、、、宮龍くん」
「ごめんなさい、、また仕事しながら寝ちゃった・・」

「体壊したり風邪ひいたりするからダメってあれだけ言ったのに」

「ごめ〜ん、、」
「宮龍くん、これからお仕事?」

「その支度中!」
「朝起きたらベッドにいないから探しにきたんだよ」
「そしたらまた作業机で寝てるからさー」

「ご、ごめ〜ん」
「執筆の絵本考えなきゃって調べものしてたらそのまま・・・」

「気持ちは分かるけど、なにより体が資本なんだからな!」
「小鳥がいつ倒れるか心配だよ」
「頑張りすぎちゃうのを知ってるからさ・・・」

「ごめんね・・・このあとちゃんとお布団で一休みするから」

「ん、わかった、約束ね」
「俺はもう仕事行くから休んでご飯とかもちゃんと摂るようにな」

「は〜い」

ガチャン

スタスタスタ...

「またやっちゃった・・・」


私は宇野 小鳥(うの ことり)
今25歳で少し前からフリーの絵本作家として走り始めた。
が、そう簡単ではなく原稿を出版社に持って行ったりコンテストに出したりしているが、採用までの道のりは遠い。。

それでも、私の夢は絵本作家として、人の記憶に残るような作品を出版すること!
その理由は、お母さんが読み聞かせてくれたたくさんの絵本が本当に好きで、同じ絵本なのに毎晩読んでってお母さんに泣きつくくらい絵本にハマっていた幼少期がある。
それもあっていつかこれまで見てきた絵本のような作品を執筆したいの。

そんな行動の中で出会ったのがさっき声をかけてくれた八田 宮龍(ヤタ クロウ)
2歳年上の27歳で付き合って1年が経ち同棲を始めた私の彼。
仕事はデザイン会社でイラストレーターを職として働いている。

そうして今に至る


スッ....
カタッ

作業机に飾っている2人で出掛けた時に撮ったツーショットの写真立てを手に取った。

「宮龍くんいつも心配かけてごめんね」

私の夢のために支えてくれる彼。
彼の仕事柄絵本の出版って自費出版とかでない限りかなり大変なことも理解している。
それでも、いつも支えてくれる。

「本当にありがとう」
「・・・いつか夢は叶えたいな」

カタッ

「でも無理しすぎないようにしなきゃ・・・」
2人の写真立てを机に戻しながら小さく呟いた。

「ん〜〜〜〜!」
机で寝てガチガチになった体を伸ばした。
「さて、顔洗ってこよっと」

ガタンっ
ダルイ体を動かし、洗面所に向かった。

スタスタ・・・
「顔洗ったら、図書館でネタ集めに行かなきゃー」

一瞬宮龍くんに言われたことが頭を過ぎった・・・
でも、まだなにも実績が残せていない自分に焦りと不安に襲われた。

「・・・」
「ま、まだ大丈夫!」

と、自分を奮い立たせ、図書館に向かう支度を始めた。



図書館は自宅から徒歩30分くらいのところにあるかなり古くからある所をよく使っていた。

「いらっしゃいませ〜」
「あっ小鳥ちゃん、今日もきたんね〜」

「あっおばちゃん!こんにちわ〜」
「また来ちゃった!」

声をかけてきたのは図書館の受付で長く勤務をしている方。
何度も通っているから顔なじみになって気さくにしてくれる優しいおばちゃん。

「あら、小鳥ちゃんなんか疲れてる??」

「あっ・・・たぶん??いや、気のせいですよ!」

「そ〜お。。?なんか目の下のクマもあるし・・・」
「無理しちゃダメだよ」

「あっは〜い!いつもありがとうございます」

「じゃあいつものように好きに使っていいからね〜」

「は〜い!・・・」

スタスタスタ.....

宮龍くんに言われたこともあって、おばちゃんの一言が少しドキッとした。

「・・やっぱり疲れているんだ」
本棚にならぶたくさんの本を見ながら呟いた。

「あっこれ気になる!」
スッ
「あとこれと、これも!」
スッ

スタスタスタ...

ドスンっ

歩き回って気になった大きな様々な書籍を両手にかかえいつもの席に着いた。
2つ椅子を開けた席に1人本を読んでいる人がいた。
珍しいなと思いつつ、早く持ってきた本を読みたい小鳥。

「ふ〜でも今日はそこそこにしてお家に帰ろう」
「さて、まずは・・・この本」

手に取ったのはタイトル『生命の神秘と奇跡』という、絵本テイストの書籍。

「どれどれ〜・・・・」


好きな物に囲まれ好きな本を読む。
これがなにより幸せ。
飲み物を飲むことを忘れてしまうくらい入り込んでしまう。

そして
結局今日も・・・


「ん〜〜〜!なるほど〜!」
「これって絵本のネタにできそうかも!」

「小鳥ちゃ〜ん!もうすぐで図書館閉めないといけないからね〜」

「えっ!!?あっは〜い」

バッ
壁に掛かった時計を見ると、19時前。

「あっ、、、またやっちゃった。。。」
「宮龍くんにまた心配かけちゃうよ・・・」

横を見るとさっきいた人はもういない。

「・・・あっ」
そこには片付けられずそのままの本があった。

「あの人・・・そのまま帰っちゃったのかな」
「ひどいなぁ、、もう。。」

そう言いながら、帰りの支度をして残されたままの本も持ち、受付に向かった。

「う〜、、さすがに重い・・・」

自分が借りてきた本と合わせて7冊。
漫画とかとは違い大きいし重い。

「2回にわけておばちゃんに渡しに行けばよかったかも・・・」
と少し後悔。
でも、あと少しで受付だから・・・

「うんしょ・・・うんしょ…」

クラッ・・・

「あっあれ・・・」
もう目には受付にいるおばちゃんが待っている。
けど…

クラッ…クラッ。。

目の前が歪む。
景色がボヤける・・

「ど、どうしたんだろう。。あと少しなのに…」

歩く足がすごい重い。。

「お、おばちゃ〜ん、こ、これ」
「返却に・・・」

「あっ危ない!!!」

バダン!
バサバサバサ......

その場に倒れた。

ダッダッダ....

「小鳥ちゃん!小鳥ちゃん!!!!」

おばちゃんの声がする。
でも、目が開かない。

「大丈夫!ねえ小鳥ちゃん!!」

「だ、だいじょうぶです....」
声に出せていない。

「ことりちゃ・・・・」

だんだんとおばちゃんの声が遠のく。

「・・・・」

もう声も聞こえない。
そのまま意識がなくなった。


・・・・・・
・・・・
・・・
・・


....

『〜〜〜〜』

「・・・んっ。。。」

ゆっくりと意識が戻った。
まだ目を開けられないけど誰かの声がする。

『みなさんにお渡しをしたものを大切にするように〜』
『〜〜〜〜』

誰か喋ってる。
・・・けどなんのことを言っているのか内容が分からない。。

「なんの話しだろう・・・」

重いまぶたをゆっくり目をひらいた。
「・・・ここは....」

目を開くとそこには前には大きなステージの壇上にいる鳥が喋っている。

「えっ、、、二、ニワトリ???」

そのニワトリは2頭身くらいのヌイグルミのようなフォルムをしてる。
その"ニワトリ"が壇上に立ち、言葉を話している。

「なにこれ・・・?」
「変な夢でも見てるの・・・かな...」

でも確かに目の前でニワトリが話している。

「ど、どうゆうこと・・・これ、、」

訳が分からない。

キョロキョロ

周りを見渡した。
すると。

「えっ・・・」

左右には2頭身くらいの様々な鳥がたくさんいる。
そして皆んな壇上に向かってその"ニワトリ"が話す言葉を聞いている。

「なにここ・・・夢???」

私って・・・
図書館に行って調べ物をしてたと思うけど・・・
それから・・・どうなったんだっけ??

思い出せない。

確か・・・他の人がそのままにしてたたくさんの本を持っておばちゃんがいる受付まで運んで・・・てそれで…

おもむろに手元に目をやった。
すると、綺麗で少し大きな卵を持っていた。

「・・・これは、、なに?」
「・・・」
「・・・・・えっ!」

手元にある卵のことよりも驚愕した
卵を持つ私の手が…
鳥の翼になっていることに。

「え〜〜どうしちゃったの私〜〜〜!」

目を覚めたここは、住んでいた現実とは全く違う異世界だった。


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