果てしなく長い距離を飛んでいたのだろう。気がつけば夜は終わり、朝の光が顔を出していた。
私はそこでふと、飛ぶのをやめた。
とぼとぼと歩いてたどり着いたのは、2年前に閉鎖された遊園地だった。
なぜか、遊園地自体はまだ残っていた。
あたりには誰もいない。当たり前だ。潰れた遊園地に、しかもこんな時間に来る人なんていない。
さきほどの変なやつーーーーホクト、と言ったかなーーーーのことを思い出した。
はあ、何なんだ、ムカつく。
私はイライラを振り払って歩き出した。
さすがは元遊園地。公園よりも当たり前だがずいぶん広い。
観覧車、ジェットコースター、コーヒーカップ。
私も、何度か来たことがある。
私はもう思いっきり遊園地を楽しむことにした。
まずはじめに、コーヒーカップに乗った。
もちろん、動かない。
そういえば、昔パパとママと三人で乗って、パパが酔ってママと二人でお水を買いに行ったっけ。
次に、チェーンタウンのブランコに座った。
蘇ったのは、親友の千紗と一緒に乗った時にの、錆びついた鉄の手触り。
最後に、観覧車に乗った。
なぜか観覧車だけは一人でに動いていて、ゆっくりゆっくり、進んでいた。
まるで、そこだけ少しずつ止まった時間が動き出したように。
私はピンクの可愛らしいゴンドラに乗って、外の景色をボーっと眺めた。
すると、園内にある大きな桜の木が目に入った。
それが、私の記憶の蓋をまたこじ開けてしまったみたいだ。
それは、一ヶ月前のこと。
私は、ゆーくんと二人でここに来ていた。
その時、一番最後にこの観覧車に乗った。
桜の木はまだ葉桜で、私はゆーくんが言ってくれないとその存在に気づかなかった。
「あ!見て!乙葉さん、葉桜だよ!」
ゆーくんは嬉しそうに言った。
「うん、それがどうしたの?」
「あのね、従兄弟から教えてもらったんだけど、葉桜を見ながら祈ると、ずっと友達でいられるんだって!」
私はその儀式めいた…誓いみたいなことに心が躍った。
「やろうよ!それ!」
私たちは儀式めいたそれをやった。
「ありがとう!これでずーっと、友達だね!」
私はゆーくんにそう言われてすごく嬉しかった。
だけど同時に、私はゆーくんの「友達」であり、それ以上でもそれ以下でもないんだと言われているような気もして、悲しくなった。
でも、いつか絶対ゆーくんの大切な人になりたいな、そんなことを思っていた。
でもその時、私はゆーくんの優しい温もりに、やっぱり好きだと思った。
その時の記憶が、鮮明に蘇ってしまった。
それは、しまおうとすればするほど、溢れて止まらなくなってしまう。
そのうちに涙も溢れてきて、涙腺が崩壊したかのように泣きじゃくった。
ごめんなさい、パパ、ママ。
それからおばあちゃんおじいちゃん、担任の田中先生、椿さん。
そして、大好きなゆーくん。
本当にごめんなさい。
だって、仕方がないんだもの。
私、天国にはいけません。
私は固く決意して涙を拭いた。
私はそこでふと、飛ぶのをやめた。
とぼとぼと歩いてたどり着いたのは、2年前に閉鎖された遊園地だった。
なぜか、遊園地自体はまだ残っていた。
あたりには誰もいない。当たり前だ。潰れた遊園地に、しかもこんな時間に来る人なんていない。
さきほどの変なやつーーーーホクト、と言ったかなーーーーのことを思い出した。
はあ、何なんだ、ムカつく。
私はイライラを振り払って歩き出した。
さすがは元遊園地。公園よりも当たり前だがずいぶん広い。
観覧車、ジェットコースター、コーヒーカップ。
私も、何度か来たことがある。
私はもう思いっきり遊園地を楽しむことにした。
まずはじめに、コーヒーカップに乗った。
もちろん、動かない。
そういえば、昔パパとママと三人で乗って、パパが酔ってママと二人でお水を買いに行ったっけ。
次に、チェーンタウンのブランコに座った。
蘇ったのは、親友の千紗と一緒に乗った時にの、錆びついた鉄の手触り。
最後に、観覧車に乗った。
なぜか観覧車だけは一人でに動いていて、ゆっくりゆっくり、進んでいた。
まるで、そこだけ少しずつ止まった時間が動き出したように。
私はピンクの可愛らしいゴンドラに乗って、外の景色をボーっと眺めた。
すると、園内にある大きな桜の木が目に入った。
それが、私の記憶の蓋をまたこじ開けてしまったみたいだ。
それは、一ヶ月前のこと。
私は、ゆーくんと二人でここに来ていた。
その時、一番最後にこの観覧車に乗った。
桜の木はまだ葉桜で、私はゆーくんが言ってくれないとその存在に気づかなかった。
「あ!見て!乙葉さん、葉桜だよ!」
ゆーくんは嬉しそうに言った。
「うん、それがどうしたの?」
「あのね、従兄弟から教えてもらったんだけど、葉桜を見ながら祈ると、ずっと友達でいられるんだって!」
私はその儀式めいた…誓いみたいなことに心が躍った。
「やろうよ!それ!」
私たちは儀式めいたそれをやった。
「ありがとう!これでずーっと、友達だね!」
私はゆーくんにそう言われてすごく嬉しかった。
だけど同時に、私はゆーくんの「友達」であり、それ以上でもそれ以下でもないんだと言われているような気もして、悲しくなった。
でも、いつか絶対ゆーくんの大切な人になりたいな、そんなことを思っていた。
でもその時、私はゆーくんの優しい温もりに、やっぱり好きだと思った。
その時の記憶が、鮮明に蘇ってしまった。
それは、しまおうとすればするほど、溢れて止まらなくなってしまう。
そのうちに涙も溢れてきて、涙腺が崩壊したかのように泣きじゃくった。
ごめんなさい、パパ、ママ。
それからおばあちゃんおじいちゃん、担任の田中先生、椿さん。
そして、大好きなゆーくん。
本当にごめんなさい。
だって、仕方がないんだもの。
私、天国にはいけません。
私は固く決意して涙を拭いた。