「湊君……」


「もういいだろ?」


「……うん」


私は小さくうなづいた。


「良かった。桜がやっと答えてくれた。嬉しいよ、本当に。それにしても泣き虫だよな、桜は」


「だって、湊君が泣かせるから。湊君は……私の初恋の人だもん」


「え!! 初恋? 本当に?」


ものすごく驚いてる湊君、可愛い。


「うん。中学の時からずっと想ってた。でも、湊君はみんなの王子様だったから、私のことなんて全く見てないと思ってた。だから、悩んでた時、声掛けてくれたの、すごく嬉しかった。本当に……助けてくれてありがとう」


「じゃあ俺達は……両思いだったんだな」


「う、うん。びっくりだよ」


「俺はさ、ずっと桜しか見てなかった。お前の笑顔がすごく好きだったから。なのに、ようやく同じクラスになれたのに、桜は毎日つらそうで……」


「心配かけてごめん」


「気にするなって。でも、約束して。今から桜は俺だけのもの。いいな?」


私はうなづいた、もちろん、心からの笑顔で。


色んなことから卒業して、もうすぐ同じ大学に通う私達。
春の空はとても綺麗な色をして、そんな2人を祝福してくれている。


私、ずっと笑顔でいるよ。
つらい時も、青い空を見上げて頑張ってく。


麻倉 湊君――
これからもよろしくね、大好きだよ。