高校生になって、なるべく友達の少なそうな人と仲良くなろうと思った。中学であの子を演じて感じたのは、合わせるのがしんどいということ。ずっと皮を被っているのは苦しい。私は死んだあの子のように優しい人間じゃないし、無理に押し殺して人格を変えられるほど器用じゃない。思いやりなんて言葉に反吐が出そうになる時もある。だから、なるべくいても疲れなさそうな人間と仲良くなろうとした。
 そして出会ったのが、蓮、陽葵、遥太、そして尋だった。
 みんなと過ごす日々は、とても居心地が良かった。変に気張る必要もないし、合わせる必要もない。スクールカースト的には、カースト下位にもならないアウトローなグループだった。これならいつ他の生徒の反感を買ってもおかしくない。我ながら上々だった。