――何も、言えなかった。

 泣いた。高校生になって二回目だった。一回目は千種のお葬式の時だった。
 ベッドの上で、一人で嗚咽を漏らし続けた。部屋の電気を付けることすら億劫だった。隣の部屋に聞こえてしまっているかもしれない。けどもう気にしてなんていられなかった。バイトは休んで、絵も描かなかった。描きたくなかった。何もしたくなかった。
 なんで千種はいないんだろう。どうして私はいるんだろう。そんな問いばかり浮かんできた。孤独を、自分の情弱さを痛感した。
 枕をぐちゃぐちゃに濡らしながら泣き続けて、気付いたら私は、眠りについていた。