「光、もう学校行かないと遅刻するぞ」
「うは、学校めんどい。」全く、学校なんて行く意味があるのだろうか？
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
「わかったよじいちゃん言ったらいいんでしょ...」
タメ口を言いながら僕は早足で学校へと向かう。僕の学校は矢田野市立高等学校で家から徒歩20分で行ける学校だ。
　教室がある3階へと行き扉を開けると「お、伊丹おはようー」「光くんおはよう」とみんなが次々に挨拶をしてくる。
「みんなおはよう」と僕は偽の笑顔を作って答える。僕は自分で言うのもアレだが人気者で、かつ成績も優秀。
「伊丹くんここの問題わからないんだけど教えてくれる？」
「ああ、ここの問題か。まずここをこうして...して」
ありがとう、伊丹くん。勉強教えるの上手だから将来教師になったら？」
「そんなに上手かな、照れるな」と棒読みで答えるするとみんなが僕ところに集まり口々に話を始める。

ったくウルセェ奴らだな...僕は聖徳太子じゃないからアンタらの声を全部聞き取ることができないんだよ...

しまった。裏の心が出てきてしまった。
「ん、どうした伊丹？」僕の心が顔に出てきたのか、心配しそうに1人の友達が駆けつけてきた。
「あ、ちょっと気分が悪いから保健室に行ってくるよ」という。
「最近だいしょうぶか？ついて行って...」「いや、いいよ、先生にだけ伝えといて」と即答する。そして逃げるまま小走りで保健室へと向かった。保健室の前に着いたらドアをノックし扉を開ける。
すると「あ、今日も来たの伊丹くん」と心配した顔で保健室の先生が迎えてくれた。
「はい、最近どうも気分が悪くて...」「うーん、ここは早退して家でゆっくりした方がいいんじゃない？」
「あ、そ、それはけっこうでしゅ」...噛んでしまった
「けっこうでしゅってかわいー」と笑いながら答えられた。保健室の先生はまだ若くて20代だ。
恥ずかしくて顔を赤くしたらブハッハッと笑われてしまった。
「で、どうするー？」といきなり問いかけられ、一瞬迷ったが「やっぱり今日は早退します」とだけいう。「わかった、じゃあお母さんに連絡したらいい？」と聞かれ、「僕のこと育ててくれてるのおじいちゃんで最近元気がないようなので1人で帰ります」「え、あ、大丈夫じゃないでしょ、無理したら」「大丈夫です、失礼しました」と言い、早退届を書いてもらって荷物を取りに戻る。
「あれ、伊丹早かったなーもう気分は大丈夫なのかー？」「いや、今日は早退するよ」「おぉ、そうかお大事にー」「うん、ありがと」そう言い残して学校を出た。何のために今日ここまできたのか意味がわからない。
とりあえず自転車を押しながら家に帰る。
　家の前に着くとブザーを鳴らしたが返事が来ない。何度も押しても返事がないのでてっきり寝てるのかと思って合鍵を使いドアを開ける。
とりあえずリビングに行くと...「じいちゃん！？じいちゃん！」必死に叫ぶ。目の前には苦しそうにもがくじいちゃんの姿があった。急いで救急車を呼んで約10分後に到着した。寝ているじいちゃんと一緒に病院へと向かうこと15分そこは大瀬山内病院と呼ばれる病院だ。
それで待つこと2時間、医者がやってきて何とか意識が戻りました。と言われて深くため息をついた。
しかしすぐに｢あなたのおじいさんは非常に珍しい病気があることが分かりました」と告げた。