この物語は毎年お祝いしている父の誕生日のある年の話である。

父の誕生日は10月9日。
世間ではなんでもない普通の日であったり、
スポーツの日として祝日になったりする日である。

ある年のこと。
私は10月中に実家に帰ることができないことがわかっていた。
どうしよう、と考えを巡らせ、
9月に実家に帰省し、父の誕生日のお祝いのケーキとプレゼントを
渡そうと計画をした。
母にも協力をしてもらい、父にはサプライズで帰省することに成功した。

父は腹に入ってしまったものは、全て忘れてしまう人だ。
そのせいで、小さな諍いがたくさん起きていたため、
父用の卓上カレンダーに貰ったものなどを書くことを強制していた。
その当時、1ヶ月、2ヶ月おきに実家に帰省していた私の手土産なども
事細かに記載させていた。