なんの本が入っているか、ふと徐にカバンを開けてみた。
単行本が5冊、文庫本が15冊。
もちろん全部読んだ本であり、
内容も全て覚えている。
誰か止めてくれる人がいなければ、
結末まで、全て話してしまうほどには、
私の記憶に物語が染み付いている。


そう考えたとき、ふと思った。
私は基本的に本の再読はしない。
内容も全て覚えているのに、読み返す時間があるなら、
まだ知らない世界の本を読んでみたいからだ。


そうなると、「実家から持ってくる本」というのは
私がまだ読んだことのない本、ということになる。


それに気づいたとき、
私は勇気を振り絞って、体重計に乗った。