さすがにわたしの魔法が棒に火を点けるだけでは説明出来なくなってきた。
なので、不審と思われる前にこちらから話して、真実を隠すとしましょうか。
「どうしました? 何か悩み事ですか?」
話すとしてどう話そうかと悩んでいたらレンラさんに話し掛けられてしまった。まだどう話すか考えてないのに。
「え、あ、わたしの固有魔法、何か思ってたのと違うな~と思いまして」
下手に隠すとさらに怪しくなるので素直に話しておく。
「どう違うんです?」
「うーん。説明が難しいんですけど、物体を硬くすることや物と物をくっつけたり出来たりしたんですよ。もしかして付与魔法かと思ったんですが、本で読んだのは何か違うんですよね。付与魔法なら人にも効果を与えられるはずなのに、全然ダメでした。わたしの固有魔法、いったい何なんだろう?」
てか、何の魔法にしたらいいんだ? 誰か教えてプリーズ!
「今のところ、何が出来るんです?」
「マッチすることと、物を硬くすること、物と物をくっつけること、水を弾くこと、石に熱を籠めること、壺に水を集めること、刃物を研ぐこと……あ、これは特技か。他にも出来てそうな気もしますが、細かすぎて魔法なのかどうなのか怪しいところですね」
「確かに何の魔法かわかりませんね」
「あ、指から火を出すことも出来ましたよ」
本当は手袋に火を出す付与しただけなんですけどね。シャイニングフィンガーゴッコをしたくて作っちゃいました。テヘ♥
「……確かに何の魔法がわかりませんね……」
「そうなんですよね。まあ、効果が小さいので生活を楽にするくらいなんですけどね」
「まあ、いろいろ出来るのは便利ですね」
「そうですね。あ、そうそう。魔石をもらったので棒と火の魔法をくっつけられる物を作りました」
作業小屋に向かい、魔石を使ったマッチ製造器をレンラさんに見せた。
「これがですか?」
「はい。ここに棒を入れて火の魔法を使うと、棒に火の魔法を移せることが出来ます」
「……魔道具ですか……」
「魔道具?」
この世界、そんなものがあるの?
「読んで字の如く、魔法が籠められた道具のことです。マッチも魔道具と言っていいでしょう」
「そうなんですか!?」
マジか! それはびっくりだよ!
「ええ。魔道具を作れる者は希少な存在です。もしかすとキャロルさんの固有魔法は技法魔法なのかもしれませんね」
「技法魔法?」
そ、そんな固有魔法まであるんだ。この世界、いろんな魔法があるのね……。
「まあ、わたしには鑑定魔法がないので何とも言えませんが」
「と、とりあえず、技法魔法だとすると、わたし、他にも魔道具を作れちゃったりするんですかね?」
付与魔法なら魔道具を作ることも可能だけどさ。
「はっきりとそうだとは言えませんが、マッチやこれを作れるなら可能性はあるかと」
アイテムバッグを作れる付与魔法より細かい魔道具を作れる技法魔法のほうがインパクトは小さいのかもしれないわね。
「……そうですか。ちょっと考えてみます……」
付与魔法とわからず技法魔法で済ませられるレベルの魔道具か。これは考える必要があるわね……。
考えてますっ行動してたけど、本当に考えるためにしばらく庭を徘徊することとなった。
いや、冒険者はどうした!?
って突っ込みはとりあえずスルーさせてもらい、まずは藁を編むことにした。
三本束ねた藁で強化の付与を施し、石を結んで枝に吊るした。
「何をなさっているので」
たくさんの石を吊るしてたらレベルさんがやって来た。暇なのかしら?
「藁紐を硬くしてみたのでどのくらい保てるかの実験です」
「実験ですか」
「はい。実験です」
「……藁紐を硬くすると、何か利点があるんですか?」
レンラさんにはわからないようだ。まあ、普通に木の繊維で作ったロープを使えばいいだけだしね。
「たくさんありますね」
レンラさんにナイフを渡して藁紐を切ってもらうようお願いした。
「……切れませんね……」
「切れないってことは帷子にも代用できますし、荷を縛るのにたくさん紐を必要としません」
「……そう、ですね……」
レンラさん的にはピンと来てないようだ。
「まあ、単なる実験なので気にしないでください」
レンラさんは物を売る専門家で作る専門家ではない。こういうのは職人さんに見せたほうがいいでしょう。
「凄いな!」
「藁なのに鉄のような強度があるとか画期的すぎる!」
ほらね。作る専門家のほうが藁紐の価値をわかってくれているわ。
「これをたくさん作るのでいろいろ使ってみてください」
わたしが考えるより職人さんに任せたほうがいいものが出来るでしょう。
「魔石って便利ですよね。これがあるならライターも作れますよ」
ライターってのが気になるわよ。この世界で火が点けられるものを作り、ライターと名付けるんだから。わたしと同じ転生した人がいるのかもしれないわね。
「そうですね。ライターは輸入出来るのでマッチのほうが売上が出てますが、試しに五つくらい作ってもらえますか?」
「構いませんよ。わたしも作りたいライターがあるので」
タバコは吸わないけど、竈に火を点けるようのライターが欲しいのよね。マッチだと湿気っていると点け難いのよ。
……魔石、自分でも手に入れたいわね……。
なので、不審と思われる前にこちらから話して、真実を隠すとしましょうか。
「どうしました? 何か悩み事ですか?」
話すとしてどう話そうかと悩んでいたらレンラさんに話し掛けられてしまった。まだどう話すか考えてないのに。
「え、あ、わたしの固有魔法、何か思ってたのと違うな~と思いまして」
下手に隠すとさらに怪しくなるので素直に話しておく。
「どう違うんです?」
「うーん。説明が難しいんですけど、物体を硬くすることや物と物をくっつけたり出来たりしたんですよ。もしかして付与魔法かと思ったんですが、本で読んだのは何か違うんですよね。付与魔法なら人にも効果を与えられるはずなのに、全然ダメでした。わたしの固有魔法、いったい何なんだろう?」
てか、何の魔法にしたらいいんだ? 誰か教えてプリーズ!
「今のところ、何が出来るんです?」
「マッチすることと、物を硬くすること、物と物をくっつけること、水を弾くこと、石に熱を籠めること、壺に水を集めること、刃物を研ぐこと……あ、これは特技か。他にも出来てそうな気もしますが、細かすぎて魔法なのかどうなのか怪しいところですね」
「確かに何の魔法かわかりませんね」
「あ、指から火を出すことも出来ましたよ」
本当は手袋に火を出す付与しただけなんですけどね。シャイニングフィンガーゴッコをしたくて作っちゃいました。テヘ♥
「……確かに何の魔法がわかりませんね……」
「そうなんですよね。まあ、効果が小さいので生活を楽にするくらいなんですけどね」
「まあ、いろいろ出来るのは便利ですね」
「そうですね。あ、そうそう。魔石をもらったので棒と火の魔法をくっつけられる物を作りました」
作業小屋に向かい、魔石を使ったマッチ製造器をレンラさんに見せた。
「これがですか?」
「はい。ここに棒を入れて火の魔法を使うと、棒に火の魔法を移せることが出来ます」
「……魔道具ですか……」
「魔道具?」
この世界、そんなものがあるの?
「読んで字の如く、魔法が籠められた道具のことです。マッチも魔道具と言っていいでしょう」
「そうなんですか!?」
マジか! それはびっくりだよ!
「ええ。魔道具を作れる者は希少な存在です。もしかすとキャロルさんの固有魔法は技法魔法なのかもしれませんね」
「技法魔法?」
そ、そんな固有魔法まであるんだ。この世界、いろんな魔法があるのね……。
「まあ、わたしには鑑定魔法がないので何とも言えませんが」
「と、とりあえず、技法魔法だとすると、わたし、他にも魔道具を作れちゃったりするんですかね?」
付与魔法なら魔道具を作ることも可能だけどさ。
「はっきりとそうだとは言えませんが、マッチやこれを作れるなら可能性はあるかと」
アイテムバッグを作れる付与魔法より細かい魔道具を作れる技法魔法のほうがインパクトは小さいのかもしれないわね。
「……そうですか。ちょっと考えてみます……」
付与魔法とわからず技法魔法で済ませられるレベルの魔道具か。これは考える必要があるわね……。
考えてますっ行動してたけど、本当に考えるためにしばらく庭を徘徊することとなった。
いや、冒険者はどうした!?
って突っ込みはとりあえずスルーさせてもらい、まずは藁を編むことにした。
三本束ねた藁で強化の付与を施し、石を結んで枝に吊るした。
「何をなさっているので」
たくさんの石を吊るしてたらレベルさんがやって来た。暇なのかしら?
「藁紐を硬くしてみたのでどのくらい保てるかの実験です」
「実験ですか」
「はい。実験です」
「……藁紐を硬くすると、何か利点があるんですか?」
レンラさんにはわからないようだ。まあ、普通に木の繊維で作ったロープを使えばいいだけだしね。
「たくさんありますね」
レンラさんにナイフを渡して藁紐を切ってもらうようお願いした。
「……切れませんね……」
「切れないってことは帷子にも代用できますし、荷を縛るのにたくさん紐を必要としません」
「……そう、ですね……」
レンラさん的にはピンと来てないようだ。
「まあ、単なる実験なので気にしないでください」
レンラさんは物を売る専門家で作る専門家ではない。こういうのは職人さんに見せたほうがいいでしょう。
「凄いな!」
「藁なのに鉄のような強度があるとか画期的すぎる!」
ほらね。作る専門家のほうが藁紐の価値をわかってくれているわ。
「これをたくさん作るのでいろいろ使ってみてください」
わたしが考えるより職人さんに任せたほうがいいものが出来るでしょう。
「魔石って便利ですよね。これがあるならライターも作れますよ」
ライターってのが気になるわよ。この世界で火が点けられるものを作り、ライターと名付けるんだから。わたしと同じ転生した人がいるのかもしれないわね。
「そうですね。ライターは輸入出来るのでマッチのほうが売上が出てますが、試しに五つくらい作ってもらえますか?」
「構いませんよ。わたしも作りたいライターがあるので」
タバコは吸わないけど、竈に火を点けるようのライターが欲しいのよね。マッチだと湿気っていると点け難いのよ。
……魔石、自分でも手に入れたいわね……。