君、小原沙良(こはらさら)と初めて会話をしたのは中学三年生になったころだった。
 その頃僕は、絶賛中二病だった。田舎なためよく方言が出るのだがっそれを嫌い見様見真似のあっているかわからない標準語を使っていた。今思えばとても恥ずかしい。穴があったら入りたいくらいだ。それでも、周りには友達がいてくれたので人に恵まれていたんだと思う。ありがたい。
 当時の小原沙良の第一印象は、とにかく明るかった、周りを笑わそうとするのがわかりやすい。だからなのか、人にすこぶる好かれていた。彼女はカースト上位のくせに教室の端にいるような子にも声をかけ教室にいや、学校に笑顔を咲かせていた。普通裏があるなと疑うところなんだろうけど、彼女の瞳は黒いのにとても透き通っていて誰もが美しいと言う。とても疑えやしない。そんな彼女だが、とことん馬鹿なのだ。まあ、ある意味天才なのかもしれない。その例に、ある日の社会の授業、彼女が自信満々に手を挙げていることにきずいた教師があてた。周りは
「やめとっけってw」
などと、煽りながら止めたが
「あまりみくびるでない!ちゃんと復習してきたんじゃけん!」
と自慢げに言い放った。教師が出した問題は日本海側で発生する高気圧とはという簡単問題。しかし彼女は
「モンスーン!」
と言い放ったのだ。これには、先生を含め一同が大爆笑。赤面でわざとだしという彼女を先生は
「まあ、勉強はしたんだろうな。答えは台風だ。それじゃあ小原、アメリカはこの高気圧をなんと言う?」
流石にこの問題はだれもが解けるだろうと思っていた。だが
「台風!!!!」
これはダメだなと心から思った。クラスもあっけにとられていた。

 そんな彼女と話したのは、席替えをし隣になった時だった。