「本日は卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんにおかれましては……」
……
……
……
まだ咲く気配のない桜の木をぼーっと眺めながら、もうくぐることの無い正門を出た。
「紗綾!卒業おめでとう」
ビシッとしたスーツを着た惟人が、待ってましたと言わんばかりに駆け寄ってくる。
いつもよりしっかりした格好で、半分はまるで営業マンみたいでかっこいい。だけど半分は初々しい新社会人みたいだ。
「ありがとう」
ふわっと吹く風は、もうすっかり春の香りがした。新しい人生が始まるカウントダウンが始まっているような、そんな気がした。
「もう、行ってもいいの?」
明日からは母校となる、思い出深い学校をどこか寂しそうに眺めながら、そっと私の手を取った。
「うん。お世話になった人にはちゃんとお礼言ってきたし、奏真とも最後の制服の写真撮ってきたし。もう思い残すことはないよ」
高校三年間、色んなことがあった。
桜崎祭、部活、修学旅行に球技大会。初めての彼氏、初めての就活。
特に濃かったのが、高校二年生。惟人に出会えた、あの一年。
「今思えば、初めて一緒にご飯を食べたあの日にはもう、惟人のことが気になり始めてたのかもしれない」
お兄さんのファンになっちゃいました、なんて言っていたけど、きっともう、心が大きく動いていた。
奏真への気持ちも、十四年間思い続けたから無下にできない、みたいな、執着の気持ちが大きかったんだと思う。ここで折れたら、好きの気持ちが軽いものになってしまうように思えたのかもしれない。
「僕はそのときにはもう好きだったけどね」
得意げに話す彼は、やっぱりどこか可愛らしい。
「前はそうだったかもしれないけど、今は私のが好きだよ」
絶対に負けないよ。この気持ち。
シャンプーとはまた別の、彼の優しい匂い。
メンタルがボロボロになったとき、ガラスに振れるように優しく抱きしめてくれる腕。
キスをしたときの柔らかいくちびる。
運転するときの横顔。
あげたらキリがないくらい、毎日毎日、日付と時間を重ねていくごとに彼のことが大好きになっていく。毎日毎日、知らない自分が顔を出す。
「いやいや、僕のが好きだからね?」
「ぜぇーったい私!」
「なにしてんの、紗綾」
後ろから聞こえる声にびっくりしてしまう。
振り向かなくてもわかる、幼馴染の奏真の声だ。
「あ、奏真。この人、私の彼氏」
少し自慢げに話してみせる。
いいでしょ。こんなにかっこいい人が私の恋人なんだよ?奏真たちより幸せなんだよ?
「え、紗綾ちゃんの彼氏さん?嘘、うちの子よりいい人そう」
綺麗な格好をした奏真ママ。さすが見る目がある。
「若草惟人です。幼馴染の奏真さんの話はよく聞いています。彼女の恋人として、仲良くさせてください」
ちょっと前に出て、食い気味で挨拶をしている。
なんてことしてくれるんだ。奏真がもしドキッとしたらどうしてくれるんだ。
「こちらこそです。あの、駅前でギター弾いてた人ですよね?」
「あー、はい。そうです」
嬉しそうにしないで。その笑顔は男女問わず夢中にさせることを全くわかっていない。
「あ、そうだ。紗綾ちゃん、今日このあとお家にタケノコ持っていってもいい?昨日たくさんいただいたんだけど……」
あっちは男同士で話しているからと、奏真ママはこちら側の話として会話を始める。
「えっと……。実は今日、引っ越すんです。家に行けば母はいると思うんですけど、もう私の家ではないので……」
そうは言ったものの、お母さんとふたりで食べてね、という意味だったら別にこんなこと言わなくても良かったなとあとから気づいた。
「そうなんだ。彼と住むの?」
驚きもしない奏真ママに、疑問を抱いた。
なんでそんなにすんなり受け取れるんだろう。
「驚かないんですか?」
「まぁ、紗綾ちゃんの家庭の事情はなんとなーく察したっていうか。今日までよく頑張ったね。そうだなー、また紗綾ちゃんが暇なときにタケノコ、取りに来てもらおうかな」
奏真ママの、今まで見てきた中で一番優しい笑顔。奏真の成長を嬉しそうに語るときと同じ、優しさと嬉しさと、幸せで満ち溢れた笑顔。
「私、奏真ママのこと、大好きです」
「おばさんも、紗綾ちゃんのことは実の娘だと思って見てきたから、奏真と同じくらい大好きよ」
あぁ、これか。私が親からの愛に飢えて飢えて、分からなくならなかったのは。
きっと実の親と同じくらい愛情を注いでどんなときも迎え入れてくれたから、愛なんて、と思わずに生きてこられた。
「結婚式、おばさんも呼んでね」
「ちょ、気が早いですよ!」
まさかの発言に、思わず声が大きくなってしまった。
「紗綾、そろそろ行こうか」
奏真との話が終わったのか、彼が少しだけ離れたこちらに向かって歩いてくる。
「うん。あの、また遊びに行ってもいいですか?」
「もちろん。いつでも来てね」
「そうだよ。オレも母さんも、紗綾のこと待ってるから」
当たり前、と言わんばかりにニカッと笑う奏真は、この一年で随分成長したように感じた。
「ありがとう」
卒業式の最中に緩んできていた涙腺の限界は、もうすぐそこまで来ていた。
これ以上嬉しいことを言われると、思い切り泣いてしまう未来が目に見えている。
「紗綾ちゃん、卒業おめでとう」
奏真ママのほうを見ると、咲いていないはずの桜の花が綺麗に咲き誇り、お日様の光がキラキラと照らしているような、綺麗な姿。
「ありがとうございます」
潤んだ瞳を見せないように、大きく頭を下げる。
もうすっかり伸びた髪が、春風に乗って優しく私の頬を撫でている。
「もう引越しのトラック着いてますかね?」
「うーん、そろそろかな?」
手を繋ぎ、グラウンドに止まった惟人の車に乗り込む。叶わないと思っていた小さな夢が叶った瞬間。
この春、私は言われた通り家を出た。
私の就職先と惟人の通う大学のちょうど中間地点の二階建て賃貸アパート。2DKの二階の角部屋。
今日からは彼と二人暮しだ。
私の内定が出たその日、春からは一緒に暮らそうと言ってくれたのだ。
「お願いします」「ありがとうございました」
この間約、一時間。
私の勉強机とベッド、あとは惟人の家のもの。
二人で暮らしていくには若干小さめの冷蔵庫も、一人で使うために買ったであろう二人がけのソファも、萩花さんと三人でハンバーグを食べた思い出深いローテーブルも、そのほかの家具も食器も全部、惟人のマンションにあったものだ。
「全部頼る形になっちゃって、すみません。使わせてもらう代わりに家賃とか光熱費とか、しっかり払うので!」
そう言うと、彼は少し不機嫌そうな顔をした。
「家具も食器も、僕のものじゃなくて二人のものだからね。そういうの気にするの禁止」
同棲生活初日、早速優しいお叱りを受けてしまった。
「はい。気を付けます」
「よし」
話して、荷解き。扉を開けたお互いの部屋越しであーだこーだと色んなことを話す。
こんな日々が続くと考えるだけで、心はポカポカして、幸せでいっぱいになれる。
「紗綾、仕事いつから?」
「四月一日から。惟人は?」
「四月七日から」
お互いの春の予定をカレンダーに書き込んで、ダイニングの壁に吊るした。
全てを片付け終えて、疲れを癒すアイスを買いに外に出ると、見上げた空に一番星が輝いていた。
「一番星って、惟人みたいだよね」
ふと、思った。
どんなに人が溢れているところに彼がいようが、すぐに見つけられるから。
彼はキラキラと輝いているから。
「僕も同じこと思ってた。どんな人混みの中でもすぐに見つけられる。僕にとって紗綾は、綺麗に輝いてる一番星みたいな存在だよ」
彼の口から出てくる言葉は、私の頭の中を覗いて言っているのではないかと思うほど、同じだった。
なんだか嬉しくて、そっと彼の手を取って優しく握った。
萩花さんのお下がりのスーツ。
高校のときと変わらないお弁当箱。
卒業記念品の印鑑と、事前に送られてきた必要書類。
プチプラのメイク用品で顔を作って、時計を見たらまだ出発まで三十分あった。
「忘れ物ない?大丈夫?」
「うん。大丈夫。……多分」
出してはしまい、出してはしまいを繰り返していると、三十分なんてあっという間に過ぎていく。
「紗綾、新社会人おめでとう」
玄関で履きなれないパンプスに足を通して、惟人の声を聞いた。
春休み中ずっと二人でいたから、一日離れていると考えると少し寂しさは感じた。
「ありがとう」
そう、彼と長いハグをして、名残惜しさが残ったまま玄関のドアノブに手を添えた。
不安が八割。ドキドキが二割。
今日から社会人として働きながら、新しい夢であるティアラでコミカライズしてもらうことを目標とした小説を書き進めていく日々が始まる。
緊張を逃すように細く長く息を吐いて、ゆっくり扉を開けると、一面春の景色が広がっていた。
私の人生の新章が始まるオープニングみたいに、視界から伝わる温かみがある綺麗な景色。
「いってきます」
久々に声に変えたこの言葉。
「いってらっしゃい。気を付けてね」
今まで返ってこなかった返事が耳に届く。
「うん」
彼に手を振って、玄関の戸を閉めた。
こんな日々がずっと続くといいな。
そう思いながら、まだまだぎこちない歩き方で未来へと足を進めた。
……
……
……
まだ咲く気配のない桜の木をぼーっと眺めながら、もうくぐることの無い正門を出た。
「紗綾!卒業おめでとう」
ビシッとしたスーツを着た惟人が、待ってましたと言わんばかりに駆け寄ってくる。
いつもよりしっかりした格好で、半分はまるで営業マンみたいでかっこいい。だけど半分は初々しい新社会人みたいだ。
「ありがとう」
ふわっと吹く風は、もうすっかり春の香りがした。新しい人生が始まるカウントダウンが始まっているような、そんな気がした。
「もう、行ってもいいの?」
明日からは母校となる、思い出深い学校をどこか寂しそうに眺めながら、そっと私の手を取った。
「うん。お世話になった人にはちゃんとお礼言ってきたし、奏真とも最後の制服の写真撮ってきたし。もう思い残すことはないよ」
高校三年間、色んなことがあった。
桜崎祭、部活、修学旅行に球技大会。初めての彼氏、初めての就活。
特に濃かったのが、高校二年生。惟人に出会えた、あの一年。
「今思えば、初めて一緒にご飯を食べたあの日にはもう、惟人のことが気になり始めてたのかもしれない」
お兄さんのファンになっちゃいました、なんて言っていたけど、きっともう、心が大きく動いていた。
奏真への気持ちも、十四年間思い続けたから無下にできない、みたいな、執着の気持ちが大きかったんだと思う。ここで折れたら、好きの気持ちが軽いものになってしまうように思えたのかもしれない。
「僕はそのときにはもう好きだったけどね」
得意げに話す彼は、やっぱりどこか可愛らしい。
「前はそうだったかもしれないけど、今は私のが好きだよ」
絶対に負けないよ。この気持ち。
シャンプーとはまた別の、彼の優しい匂い。
メンタルがボロボロになったとき、ガラスに振れるように優しく抱きしめてくれる腕。
キスをしたときの柔らかいくちびる。
運転するときの横顔。
あげたらキリがないくらい、毎日毎日、日付と時間を重ねていくごとに彼のことが大好きになっていく。毎日毎日、知らない自分が顔を出す。
「いやいや、僕のが好きだからね?」
「ぜぇーったい私!」
「なにしてんの、紗綾」
後ろから聞こえる声にびっくりしてしまう。
振り向かなくてもわかる、幼馴染の奏真の声だ。
「あ、奏真。この人、私の彼氏」
少し自慢げに話してみせる。
いいでしょ。こんなにかっこいい人が私の恋人なんだよ?奏真たちより幸せなんだよ?
「え、紗綾ちゃんの彼氏さん?嘘、うちの子よりいい人そう」
綺麗な格好をした奏真ママ。さすが見る目がある。
「若草惟人です。幼馴染の奏真さんの話はよく聞いています。彼女の恋人として、仲良くさせてください」
ちょっと前に出て、食い気味で挨拶をしている。
なんてことしてくれるんだ。奏真がもしドキッとしたらどうしてくれるんだ。
「こちらこそです。あの、駅前でギター弾いてた人ですよね?」
「あー、はい。そうです」
嬉しそうにしないで。その笑顔は男女問わず夢中にさせることを全くわかっていない。
「あ、そうだ。紗綾ちゃん、今日このあとお家にタケノコ持っていってもいい?昨日たくさんいただいたんだけど……」
あっちは男同士で話しているからと、奏真ママはこちら側の話として会話を始める。
「えっと……。実は今日、引っ越すんです。家に行けば母はいると思うんですけど、もう私の家ではないので……」
そうは言ったものの、お母さんとふたりで食べてね、という意味だったら別にこんなこと言わなくても良かったなとあとから気づいた。
「そうなんだ。彼と住むの?」
驚きもしない奏真ママに、疑問を抱いた。
なんでそんなにすんなり受け取れるんだろう。
「驚かないんですか?」
「まぁ、紗綾ちゃんの家庭の事情はなんとなーく察したっていうか。今日までよく頑張ったね。そうだなー、また紗綾ちゃんが暇なときにタケノコ、取りに来てもらおうかな」
奏真ママの、今まで見てきた中で一番優しい笑顔。奏真の成長を嬉しそうに語るときと同じ、優しさと嬉しさと、幸せで満ち溢れた笑顔。
「私、奏真ママのこと、大好きです」
「おばさんも、紗綾ちゃんのことは実の娘だと思って見てきたから、奏真と同じくらい大好きよ」
あぁ、これか。私が親からの愛に飢えて飢えて、分からなくならなかったのは。
きっと実の親と同じくらい愛情を注いでどんなときも迎え入れてくれたから、愛なんて、と思わずに生きてこられた。
「結婚式、おばさんも呼んでね」
「ちょ、気が早いですよ!」
まさかの発言に、思わず声が大きくなってしまった。
「紗綾、そろそろ行こうか」
奏真との話が終わったのか、彼が少しだけ離れたこちらに向かって歩いてくる。
「うん。あの、また遊びに行ってもいいですか?」
「もちろん。いつでも来てね」
「そうだよ。オレも母さんも、紗綾のこと待ってるから」
当たり前、と言わんばかりにニカッと笑う奏真は、この一年で随分成長したように感じた。
「ありがとう」
卒業式の最中に緩んできていた涙腺の限界は、もうすぐそこまで来ていた。
これ以上嬉しいことを言われると、思い切り泣いてしまう未来が目に見えている。
「紗綾ちゃん、卒業おめでとう」
奏真ママのほうを見ると、咲いていないはずの桜の花が綺麗に咲き誇り、お日様の光がキラキラと照らしているような、綺麗な姿。
「ありがとうございます」
潤んだ瞳を見せないように、大きく頭を下げる。
もうすっかり伸びた髪が、春風に乗って優しく私の頬を撫でている。
「もう引越しのトラック着いてますかね?」
「うーん、そろそろかな?」
手を繋ぎ、グラウンドに止まった惟人の車に乗り込む。叶わないと思っていた小さな夢が叶った瞬間。
この春、私は言われた通り家を出た。
私の就職先と惟人の通う大学のちょうど中間地点の二階建て賃貸アパート。2DKの二階の角部屋。
今日からは彼と二人暮しだ。
私の内定が出たその日、春からは一緒に暮らそうと言ってくれたのだ。
「お願いします」「ありがとうございました」
この間約、一時間。
私の勉強机とベッド、あとは惟人の家のもの。
二人で暮らしていくには若干小さめの冷蔵庫も、一人で使うために買ったであろう二人がけのソファも、萩花さんと三人でハンバーグを食べた思い出深いローテーブルも、そのほかの家具も食器も全部、惟人のマンションにあったものだ。
「全部頼る形になっちゃって、すみません。使わせてもらう代わりに家賃とか光熱費とか、しっかり払うので!」
そう言うと、彼は少し不機嫌そうな顔をした。
「家具も食器も、僕のものじゃなくて二人のものだからね。そういうの気にするの禁止」
同棲生活初日、早速優しいお叱りを受けてしまった。
「はい。気を付けます」
「よし」
話して、荷解き。扉を開けたお互いの部屋越しであーだこーだと色んなことを話す。
こんな日々が続くと考えるだけで、心はポカポカして、幸せでいっぱいになれる。
「紗綾、仕事いつから?」
「四月一日から。惟人は?」
「四月七日から」
お互いの春の予定をカレンダーに書き込んで、ダイニングの壁に吊るした。
全てを片付け終えて、疲れを癒すアイスを買いに外に出ると、見上げた空に一番星が輝いていた。
「一番星って、惟人みたいだよね」
ふと、思った。
どんなに人が溢れているところに彼がいようが、すぐに見つけられるから。
彼はキラキラと輝いているから。
「僕も同じこと思ってた。どんな人混みの中でもすぐに見つけられる。僕にとって紗綾は、綺麗に輝いてる一番星みたいな存在だよ」
彼の口から出てくる言葉は、私の頭の中を覗いて言っているのではないかと思うほど、同じだった。
なんだか嬉しくて、そっと彼の手を取って優しく握った。
萩花さんのお下がりのスーツ。
高校のときと変わらないお弁当箱。
卒業記念品の印鑑と、事前に送られてきた必要書類。
プチプラのメイク用品で顔を作って、時計を見たらまだ出発まで三十分あった。
「忘れ物ない?大丈夫?」
「うん。大丈夫。……多分」
出してはしまい、出してはしまいを繰り返していると、三十分なんてあっという間に過ぎていく。
「紗綾、新社会人おめでとう」
玄関で履きなれないパンプスに足を通して、惟人の声を聞いた。
春休み中ずっと二人でいたから、一日離れていると考えると少し寂しさは感じた。
「ありがとう」
そう、彼と長いハグをして、名残惜しさが残ったまま玄関のドアノブに手を添えた。
不安が八割。ドキドキが二割。
今日から社会人として働きながら、新しい夢であるティアラでコミカライズしてもらうことを目標とした小説を書き進めていく日々が始まる。
緊張を逃すように細く長く息を吐いて、ゆっくり扉を開けると、一面春の景色が広がっていた。
私の人生の新章が始まるオープニングみたいに、視界から伝わる温かみがある綺麗な景色。
「いってきます」
久々に声に変えたこの言葉。
「いってらっしゃい。気を付けてね」
今まで返ってこなかった返事が耳に届く。
「うん」
彼に手を振って、玄関の戸を閉めた。
こんな日々がずっと続くといいな。
そう思いながら、まだまだぎこちない歩き方で未来へと足を進めた。