外に出ると、とっくに日が暮れていた。

そうだ、今いる会社なんてのはいても何も面白くない。いろいろなところを回りながらできる仕事をしようと思う。突然旅に出ようなんて思ったのは、俺が意識していないところで放浪を求めていたからなのかもしれない。今回、旅の終着点があの薄暗い路地にある珈琲店だったのにも何か意味があるのかもしれない。ただ、その憶測が事実なのかは、今は知る由もない。