壮絶な一ヶ月から三ヶ月がたった。俺たちは全員で同じ高校に入学した。
 あのあと俺は颯照の家でくらすようになった。俺の両親は捕まったらしい。もう会うことはないからどうでもいいと正直思っている。
 今は喧嘩もするが、話さなくなったり、別々になったりすることはなくなった。
俺たちがおとなになったら何をしているかなんて想像もつかないけど、あの時、みんなで俺のことを助けてくれた。だから、これから先、この命を無碍(むげ)にすることがないように生きて、後悔のない本当の最期を迎えることが今の目標だ。
「おーい、何やってんだよ。移動教室遅れるじゃんかよー。これ以上遅れたらほんとに単位やばいんだって。」
「いや、それは普段から授業に出ないお前がひゃくぱー悪い。」
「ほんとに二人が双子とは思えんわ笑。」
「それな、性格違いすぎる。」
キーン、コーン、カーン、コーン。
「あ、」
「あはっ、仲良く皆で遅れようか。」

 この平和な日常がいつまでも続きますように。