「いやいや……あのさぁ? まずは状況説明が必要だろう?」
「おやこれは失礼、貴方たちは我らエスメラルダ帝国が異世界から呼び寄せたんですよ」
悦に入った表情で異世界から呼び寄せたと話す、長い白髭を生やした爺さん。
「はぁ?! 異世界だって!?」
「そうですよ。さぁ大召喚士様の実力を我らに見せて下さい」
「だからな? いきなり力を見せてくれと言われてもだな? やりかっ……」
「ああっ確かに我が国エスメラルダ帝国の説明がまだでしたな。大召喚士様」
俺の話を、途中で食い気味に入り込み、あさっての答えを言い出しやがる白髭の老人。
エスラダ? エセメダかなんか知らねーけどな。
俺からしたら、そんな事はどうだって良いんだよ!
ただ一つ言える事は……。
俺はその訳の分からない国。
異世界に来ちまったって事だよな?
……もとの世界に帰れるのか?
「これってヤバいやつじゃ……」
今さら俺の置かれている現状がやばい事に気付く。
もちろんそんな俺の気持ちを、察してくれる訳でもなく。白髭のじーさんは、俺を勝手に呼び寄せたエセクサ帝国について熱く語りだした。
「エスメラルダ帝国は代々、召喚士様の力をお借りして大きく成長した国になります。召喚士様とは体に聖印を宿し誕生する神に選ばれし者の名称」
聖印!? 体に宿し? まさかコイツらこのタトゥーを聖印とやらと勘違いしてるんじゃ。
なんだよ神に選ばれし者って、俺の体に刻まれたこの模様は、そんな厨二病的なんもんじゃないぞ?
これは自分で描いたヤツだ。
お前らが言うような、『生まれつき体に刻まれた神に選ばれし聖印』とやらじゃないぞ?
「ただ……昨今、我が国に聖印を持つものが生まれなくなり、二紋どころか一紋の聖印でさえ持つ者が誕生しなくなりました。最近では数年前に、一紋の聖印を持つ召喚士様が三人誕生したのみ」
そう言うと白髭の爺さんが小さな子供を前に出し、着ていた服を脱がせた。
「おいっ!?」
何やってんだよ!? いきなり大衆の面前で、子供の服を脱がすとか犯罪だぞ?
「大召喚士様には及びませんが、この召喚士の右肩に蛇の紋が描かれているのが分かりますか?」
「え……? あっ」
言われた通り、子供の肩から手に掛けて蛇がぐるりと巻き付いているような模様が入っている。それはまるで黒一色で描かれたタトゥーのよう。
だからか、そりゃこの俺の体を見て興奮する訳だ。
「さぁ、召喚士ミリクよ。ソナタの力を見せつけよ」
「はい」
じーさんに背中を押され少年が中央に歩いていく。そして両手を天にかざす。
『森羅万象の生命を宿すものたちよ。命分かち封印されし力を与えよ! さぁ目覚めよ#大蛇__スネク__#』
そう言うと、小さな子供の体が光る……正確には体に描かれた蛇が。
「うわっ!?」
いきなり俺の目の前に、三メートルは優にある、とぐろを巻いた大蛇が現れた。
「#大蛇__スネク__#! 僕に力を貸して!」
『グゴゴッ』
少年の声に反応するように大蛇が呻き声を上げる。
次の瞬間、大蛇が大きな口を開くと、口から何かを吐き出した。
「げっ?!」
口から吐き出した何かが当たった場所が、全て溶けだした。
「はははっ分かりますか? これが召喚士の力です。ミリクの召喚獣スネクは、他にも傷を癒す力や大地を一度に耕す力なども持っているのですよ」
白髭の爺さんが、自分の事のようにドヤ顔で自慢する。
「では大召喚士様、その背中に描かれた神龍を召喚して下さい」
「えっ……俺っすか?」
爺さんの言葉に反応して、皆が期待の目で俺を見る。
ちょっと待って!?
俺は今から師匠が書いてくれた神龍を召喚するの!?
マジィ!?
そんな熱い眼差しで見られても俺召喚の仕方とか分からねーよ?
「おやこれは失礼、貴方たちは我らエスメラルダ帝国が異世界から呼び寄せたんですよ」
悦に入った表情で異世界から呼び寄せたと話す、長い白髭を生やした爺さん。
「はぁ?! 異世界だって!?」
「そうですよ。さぁ大召喚士様の実力を我らに見せて下さい」
「だからな? いきなり力を見せてくれと言われてもだな? やりかっ……」
「ああっ確かに我が国エスメラルダ帝国の説明がまだでしたな。大召喚士様」
俺の話を、途中で食い気味に入り込み、あさっての答えを言い出しやがる白髭の老人。
エスラダ? エセメダかなんか知らねーけどな。
俺からしたら、そんな事はどうだって良いんだよ!
ただ一つ言える事は……。
俺はその訳の分からない国。
異世界に来ちまったって事だよな?
……もとの世界に帰れるのか?
「これってヤバいやつじゃ……」
今さら俺の置かれている現状がやばい事に気付く。
もちろんそんな俺の気持ちを、察してくれる訳でもなく。白髭のじーさんは、俺を勝手に呼び寄せたエセクサ帝国について熱く語りだした。
「エスメラルダ帝国は代々、召喚士様の力をお借りして大きく成長した国になります。召喚士様とは体に聖印を宿し誕生する神に選ばれし者の名称」
聖印!? 体に宿し? まさかコイツらこのタトゥーを聖印とやらと勘違いしてるんじゃ。
なんだよ神に選ばれし者って、俺の体に刻まれたこの模様は、そんな厨二病的なんもんじゃないぞ?
これは自分で描いたヤツだ。
お前らが言うような、『生まれつき体に刻まれた神に選ばれし聖印』とやらじゃないぞ?
「ただ……昨今、我が国に聖印を持つものが生まれなくなり、二紋どころか一紋の聖印でさえ持つ者が誕生しなくなりました。最近では数年前に、一紋の聖印を持つ召喚士様が三人誕生したのみ」
そう言うと白髭の爺さんが小さな子供を前に出し、着ていた服を脱がせた。
「おいっ!?」
何やってんだよ!? いきなり大衆の面前で、子供の服を脱がすとか犯罪だぞ?
「大召喚士様には及びませんが、この召喚士の右肩に蛇の紋が描かれているのが分かりますか?」
「え……? あっ」
言われた通り、子供の肩から手に掛けて蛇がぐるりと巻き付いているような模様が入っている。それはまるで黒一色で描かれたタトゥーのよう。
だからか、そりゃこの俺の体を見て興奮する訳だ。
「さぁ、召喚士ミリクよ。ソナタの力を見せつけよ」
「はい」
じーさんに背中を押され少年が中央に歩いていく。そして両手を天にかざす。
『森羅万象の生命を宿すものたちよ。命分かち封印されし力を与えよ! さぁ目覚めよ#大蛇__スネク__#』
そう言うと、小さな子供の体が光る……正確には体に描かれた蛇が。
「うわっ!?」
いきなり俺の目の前に、三メートルは優にある、とぐろを巻いた大蛇が現れた。
「#大蛇__スネク__#! 僕に力を貸して!」
『グゴゴッ』
少年の声に反応するように大蛇が呻き声を上げる。
次の瞬間、大蛇が大きな口を開くと、口から何かを吐き出した。
「げっ?!」
口から吐き出した何かが当たった場所が、全て溶けだした。
「はははっ分かりますか? これが召喚士の力です。ミリクの召喚獣スネクは、他にも傷を癒す力や大地を一度に耕す力なども持っているのですよ」
白髭の爺さんが、自分の事のようにドヤ顔で自慢する。
「では大召喚士様、その背中に描かれた神龍を召喚して下さい」
「えっ……俺っすか?」
爺さんの言葉に反応して、皆が期待の目で俺を見る。
ちょっと待って!?
俺は今から師匠が書いてくれた神龍を召喚するの!?
マジィ!?
そんな熱い眼差しで見られても俺召喚の仕方とか分からねーよ?