亡くなった遠縁の老夫婦の蔵を整理していると、どちらのへそくりかはわからないが、大量の現金が見つかった。老夫婦に子や孫はおらず、遺言書もない。早速分け前について話し合いが始まったが、末弟夫婦は早々に相続を放棄して一足先に帰った。
 もったいないと妻から責められた末弟は、関わり合いになりたくないの一点張り。彼には現金から「死ね」という言葉が延々と聞こえていたからだ。
 蔵から見つかった現金を手に入れた親族達は、次々に不審死を遂げた。
 最後まで無事だった末弟の一家は同居していた姑が自宅の階段で転落死し、世間から疑いの眼差しを一身に浴び、車で海に飛び込んだ。