再び病室に戻ってきた私たちを、夕夜さま達は温かい笑みで迎えてくださった。
その後、私は青の世界での出来事を架瑚さま達と共有した。そして話題は今後の進路についてになった。
「……藍に異能があるとするならば、確かに神子の言う通り専門学校に行く必要があるな」
「本当に専門学校なんてあるんですか?」
私は半信半疑で聞いた。
「あぁ。公では特別クラスとして活動しているクラスがある。俺もそこで異能のほとんどを学んだよ。夕夜や綟もだ。夕莉は……まぁ、聞かないでくれ」
私は夕莉を見る。夕莉は私の視線に気づくとニコッと笑う。そして「受験に落ちちゃったんだよねぇ」と言った。
確かに聞かないほうが良かったと私は思う。
「基本的には『ファースト』の者しかいないはずだ。あとは五大名家の人間ぐらいだな。ちなみに勉強もできないと入れない、かなりストイックな学校だ。まぁ藍は問題ないだろう」
あまりハードルを上げないで欲しい。
私はそこまで頭は良くない。ただ茜を引き立てるために確実な点を取るために勉強をしていただけだ。地頭はそこまで良くない。
「だがその反面、充実した学校生活を送れることは保証する。レベルの高い授業と環境、そして人間がそこにはいる。きっと入学して後悔することはないだろう」
架瑚さまがそこまで言うということは、かなりすごい学校なのだろう。私はその学校に入学してみたいと思った。
「その学校はなんて言うんですか?」
「ん、あぁ、言っていなかったな。名前はーー」
天宮高等学校。そこは国一番の名門校であり、最も有名なエリート学校の名前であった。
さて、私はそんな入学することさえ困難であると言われる天宮高等学校に、編入することはできるのだろうか。
このお話は、また次の機会にするとしよう。