あの夏を君と、もう一度

そのあとはお父さんの話はしていない。
このオルゴールは、お父さんが私にくれた最後のプレゼントで最高の宝物だ。

私は再び階段を降り、お父さんの仏壇の前に座る。

「お父さん。お父さんにだけは伝えときます。
私は8月23日に死にます。交通事故です。
私はもうすぐでお父さんのところに行きます。
だからその時は笑顔で迎えてくれたら嬉しいです」

あちらの世界がどんなものなのか、私たちのように今を生きている人間には分からない。
正直私は不安を抱えている。
だけどお父さんがいてくれるなら、そう思える。

それでもまだ死ぬわけじゃない。だから私は

"死ぬまでにやりたいこと"

これを書いたのだ。


やりたいことをひとつクリアするために私はスマホの電源をつけて、LANEを開く。

そして神崎 結音(かんざき ゆいね)に連絡をする。

「ゆねー、夏休みいつ空いてる?」

私は結音のことをゆねと呼んでいる。
ゆねとは生まれた時から一緒で、入野 颯(いりの はやて)とも一緒だ。
3人でよく遊んでいたし、みんなでお泊まり会などもしていた。
懐かしいなぁ、なんて思っている時にピコンと通知音がなった。ゆねからだった。

「うんとね、毎週火、水は水泳あるから無理だけど
それ以外だったら全然いつでも空いてるよ!」

私はその言葉を聞いてすぐさま返信を送った。

「無理かもだけど毎日遊ぶことってできる…?」

恐る恐る送信し、ゆねからの返信を待つ。
さすがに毎日は厳しいかと思ったが私は会うことすらもできなくなってしまう。だから私は
ゆねに毎日遊びたいとお願いをした。

「さーちゃんがそんな積極的なんて珍しいねー全然いいよ!!むしろ大歓迎!!」
「ありがとう!!早速だけどー……」

私はあれからゆねと明日について計画を立てた。
正直どうなるかと思ったがゆねが元気な性格でよかった。

これからどうなるのか分からないけど全力で楽しむ準備はできた。私はこれからの"死"のことは考えずに思いっきりはしゃごうと決意した。