私は時間が欲しいと、少しだけ待ってくれと
神様に願った。
それが実際に叶ったってこと?
でもそんな現実味のない話そう簡単に受け入れられるはずもない。
時間が巻き戻ったという証拠もない。

「だったら…」

私はあることを思いついた。
今日、7月8日にあった出来事を思い出せばいい、と。

とりあえず頭をフル回転させて考えてみる。
今日は夏休みが始まった日だから何かあっても忘れている可能性は大だけれど、それでも何か、
何かきっと、手がかりになる思い出があるはず。

私はうーんとうなりながらベットの上で考える。

「あ、」

思い出した。今日あった出来事。
それは朝食がやけに豪華だったこと。
これだけは正確に覚えている。

「なんでこんなに凝っているの?」と聞いたら
「夏休み最初だから張り切っちゃったっ」と
やけに嬉しそうな顔で言われた。

そういえば、さっきお母さんに呼ばれた時、少しいつもより声のトーンが高かった気がする。

私は恐る恐る1階に降りるために階段に移動する。
階段をおりて、リビングに入ってテーブルを見た。