先日のことがあったにもかかわらず、悠真はこれまで通り接してくれた。
それからの日常は瞬きをする暇もないくらいあっという間に過ぎ去っていき、とうとう卒業式の三日前になってしまった。街中の桜の木にできた蕾が徐々に膨らみ始めている。
「りーなーちゃん!」
一人で外を見ながらボーッとしていると、突然誰かが驚かしてきた。
「うわぁ!……鳴海!?」
「えへへ」
「急にどうしたの?」
「ふふん♪えへへ!……実は皆で卒業してからどっか遊びに行こうって話、今しようとしてたんだー!!だから一緒話そ!」
相変わらず鳴海は可愛くて、いつも笑顔が絶えず元気で……そんな子には悩みなんてあるわけないか。私とは違う人……だもんね。
そう一人で、別のことを考えてしまって返事を疎かにしていると
「ねーね!璃奈ちゃん?おーい!」
鳴海に呼びかけられていたみたいだけど、中々私は気付かない。
「おーい!」
「……あ!ごめん!!……うん!一緒話そ!」
「やったー!!」
心の中で手を合わせながら、嬉しそうに頬を緩ませてる鳴海に謝る。
“さっきはごめんね。一人で色々鳴海に八つ当たりしちゃって……”
「よし!璃奈ちゃん行こ!!こっちこっち!」
鳴海に手を引かれながら二人で皆のもとへ向かう。
「あ!鈴風戻ってきた!!咲良もいる!!」
「お!これでやっと全員揃ったな!」
「皆どこに遊び行きたい?」
全員の先頭に立って話を進め始めたのは佐々木陸、23歳。ゼミ内で唯一、一番年齢が高い4年生だ。
「はい!」
「はい、中嶋!」
「遊園地は『却下!』えー!!」
「おいおい早瀬、それはないだろ」
小林くんが恵美の提案を即座に却下したことを軽く注意した。
「えー別によくね?」
「早瀬くん?」
声がする方を見ると、恵美が眉間にしわを寄せながら引き攣った笑みを浮かべていた。
「ん?」
「あんた最低」
俺は悪くないですよーみたいな顔で振り返った早瀬君を一蹴するかのように真顔で言い放つ。その場にいた全員がヤバいヤバいと呟きながらもスマホを片手に画面には二人の姿を映していた。
その後は真面目に話し合いが進み、結局最初に恵美の提案した遊園地と、お泊り、そして観光に決定した。これを聞いて恵美は早瀬くんに勝ち誇った顔をしながらがんを思いきり飛ばしに飛ばしまくっていた。
一方、早瀬くんはというと……
「ヤベー!!俺、めっちゃ楽しみ!卒業したくないけど早くしてぇ!!」
自分の身に何が起こっているのか気付かないままはしゃいでいた。
それからの日常は瞬きをする暇もないくらいあっという間に過ぎ去っていき、とうとう卒業式の三日前になってしまった。街中の桜の木にできた蕾が徐々に膨らみ始めている。
「りーなーちゃん!」
一人で外を見ながらボーッとしていると、突然誰かが驚かしてきた。
「うわぁ!……鳴海!?」
「えへへ」
「急にどうしたの?」
「ふふん♪えへへ!……実は皆で卒業してからどっか遊びに行こうって話、今しようとしてたんだー!!だから一緒話そ!」
相変わらず鳴海は可愛くて、いつも笑顔が絶えず元気で……そんな子には悩みなんてあるわけないか。私とは違う人……だもんね。
そう一人で、別のことを考えてしまって返事を疎かにしていると
「ねーね!璃奈ちゃん?おーい!」
鳴海に呼びかけられていたみたいだけど、中々私は気付かない。
「おーい!」
「……あ!ごめん!!……うん!一緒話そ!」
「やったー!!」
心の中で手を合わせながら、嬉しそうに頬を緩ませてる鳴海に謝る。
“さっきはごめんね。一人で色々鳴海に八つ当たりしちゃって……”
「よし!璃奈ちゃん行こ!!こっちこっち!」
鳴海に手を引かれながら二人で皆のもとへ向かう。
「あ!鈴風戻ってきた!!咲良もいる!!」
「お!これでやっと全員揃ったな!」
「皆どこに遊び行きたい?」
全員の先頭に立って話を進め始めたのは佐々木陸、23歳。ゼミ内で唯一、一番年齢が高い4年生だ。
「はい!」
「はい、中嶋!」
「遊園地は『却下!』えー!!」
「おいおい早瀬、それはないだろ」
小林くんが恵美の提案を即座に却下したことを軽く注意した。
「えー別によくね?」
「早瀬くん?」
声がする方を見ると、恵美が眉間にしわを寄せながら引き攣った笑みを浮かべていた。
「ん?」
「あんた最低」
俺は悪くないですよーみたいな顔で振り返った早瀬君を一蹴するかのように真顔で言い放つ。その場にいた全員がヤバいヤバいと呟きながらもスマホを片手に画面には二人の姿を映していた。
その後は真面目に話し合いが進み、結局最初に恵美の提案した遊園地と、お泊り、そして観光に決定した。これを聞いて恵美は早瀬くんに勝ち誇った顔をしながらがんを思いきり飛ばしに飛ばしまくっていた。
一方、早瀬くんはというと……
「ヤベー!!俺、めっちゃ楽しみ!卒業したくないけど早くしてぇ!!」
自分の身に何が起こっているのか気付かないままはしゃいでいた。