ピピピピ
けたたましく鳴る目覚ましの音。
耳元がやけにうるさい。折角気持ちよく寝ている所だったのに……。
「うぅーん」
身じろぎしながらもなんとか時計を探り当てて目覚ましを止めた。
カチ
「ムニャムニャ眠いよぉー」
眠気に逆らおうか悩んだ時間は3秒。この強烈な眠気にはどうしてもら逆らえず、即二度寝を決行してしまった。
「Zzz」
パチ
今度は何かを忘れている気がして目が覚めた。それでもまだ眠くて、あまりの寝たさに我慢できず、今度は
ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ
こう何度も寝転び回ってやった。その間に目が覚めた原因の忘れている“何か”を思い出そうとする。そうして、徐々に朧げながら思い出し始めて……。
——これはpm20:00頃のこと。
「ふぅー!!やっと終わった!」
「お疲れー!!ねね、今日どうする?」
「えー今日?うーん……やめとこー?それより私は眠くて死にそう……ムニャムニャ」
あの時のことを振り返ると、ちょうど研究を終えた後に少し萌と話してうっかり寝落ちしてしまっていたことをやっとはっきりと思い出した。
「——は!」
思わず周りに誰かいないか確認する。
キョロキョロ
「おはよ!」
そこに立っていたのはお人形さんのように大きな目をくりくりさせながら心底可笑しそうに見つめてくる、なんとも可愛らしい少女、ではなく同じゼミにいる友人の一人だった。
「誰!?って鳴海かぁ……」
一瞬悠真かと思ったけど違ったのか。びっくりした……。
「何?悠真くんかと思った?」
「へ?そ、そんな訳ないじゃん!」
咄嗟に出た嘘だったけど、考えてたこと当てられたから動揺しながら返事しちゃった。
「ふーん」
やっぱり疑ってるし……。失敗した。
「ほんとだよ!」
「ふーん。ま、いいけどね。でも、璃奈ちゃんちまで運んでくれたのは悠真くんだよ」
「へ、へぇー。そうなんだー」
何でかな。こめかみ辺りから汗が止まらないんだけど。
「じゃ、見たところ元気そうだし私帰るね」
「あ、うん!鳴海ありがとー!!」
「はーい。じゃあ、風邪引かないんだよ。バイバーイ!璃奈ちゃん!!」
「うん!バイバーイ!!」
さっきはほんとに焦った。
・・・。
あれ?なんで私、さっき焦ったって思ったんだろ?もしかして悠真のことが?ないない。それこそ天地がひっくり返るよね。
うぅーん、、考えても分かんないし、ま、いっか!
グゥゥゥ♪
お腹、そういえば空いてたな。何食べよ?
ピコンッ♪
ん?
件名:起きた?
わぉ。絶妙なタイミング。
送信者は……っと。
送信者:朝木悠真
……悠真!?
え?何で?あ、別になんもおかしくないのか。
えぇっと、内容は……
起きたかー?
昨日、璃奈が寝てて長谷川が困ってたぞ。
後で話しとけよー。
ところで、俺の勝手な想像だけど、今頃お腹空かせてひもじい思いでもしてんだろ?
てことで、今からそっち行くから大人しく待っとけよ。
実に悠真らしい文章だった。
そっか、萌を困らせちゃってたのか私。後でちゃんと謝っとかなきゃ。
悠真は……後で軽く怒ってやろ。あ、勿論お礼も言うけど!
それより何なの?あの言い草は!まるで私が食いしん坊みたいな!!そう!腹ペコ大魔神みたいなこと書いて!ご飯が来るのは嬉しいけど……さ、さ最っっっ低!!!!
---45分後---
遅い、遅すぎる!あいつの家は私んちに近いはずなのに!!
ピンポーン♪
今すぐインターフォン越しに遅い!と言いたいけれど、それは流石に周りに迷惑が掛かってしまうので我慢。渋々立ち上がってドアを開けに行く。
ガチャ
「よ!」
あ、駄目だこりゃ。抑えがもう効かない。
「——よ!じゃないわよ!!遅すぎでしょ!あんたんちから私んちまでどのくらいかかると思ってんの!?たったの10分!たったの10分よ!!」
あまりの剣幕に「よ!」と挨拶をした口をぽかんと開けながら固まっていた。すると、思い当たる節があったようで
「あぁ、いやいやごめん。実はさ……」
「中に入れば?外じゃあれだろうし」
「おう、そうする。ありがとう」
「別に」
現在、感染症が前より落ち着いたとはいえ、まだまだ不安は拭えないのでしっかりと石鹸で手を洗ってもらった後、話を聞くことにする。
「で、遅くなった理由は?」
「実はさ……」
それから悠真が話したのは嬉しくもあるけれど、人によってはお節介が過ぎるような内容だった。
簡単に言えば、私が寝ていて起こしても起きなかったのでよほど研究内容が難しかったのか、疲れが溜まっているのかのどちらかだろうと推測し、私の好きなものを買って来てくれようとしたらしい。
ここからが問題で、その好きなもの……唐揚げが珍しく売り切れていたらしく、色々な場所を転々と回って探していたら、いつの間にか時間がかかってしまっていて、今に至る。
とのことだった。
「あのねぇ……」
「ほんとごめんって!でも結局ちゃんと見つけて買ってきたから許して!!」
「そういうことじゃなくて……」
「え?」
「メールの時から思ってたけど、あんたから見た私はどんだけ食い意地が張ってるのよ!別に好きなものが無かったからってそこまで怒らないわよ!……でも、ありがと」
思ったよりも声が小さくなってしまった。
けど
「うん!じゃ、ご飯食べよー!!」
と嬉しそうにしていたので結果オーライかな。
けたたましく鳴る目覚ましの音。
耳元がやけにうるさい。折角気持ちよく寝ている所だったのに……。
「うぅーん」
身じろぎしながらもなんとか時計を探り当てて目覚ましを止めた。
カチ
「ムニャムニャ眠いよぉー」
眠気に逆らおうか悩んだ時間は3秒。この強烈な眠気にはどうしてもら逆らえず、即二度寝を決行してしまった。
「Zzz」
パチ
今度は何かを忘れている気がして目が覚めた。それでもまだ眠くて、あまりの寝たさに我慢できず、今度は
ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ
こう何度も寝転び回ってやった。その間に目が覚めた原因の忘れている“何か”を思い出そうとする。そうして、徐々に朧げながら思い出し始めて……。
——これはpm20:00頃のこと。
「ふぅー!!やっと終わった!」
「お疲れー!!ねね、今日どうする?」
「えー今日?うーん……やめとこー?それより私は眠くて死にそう……ムニャムニャ」
あの時のことを振り返ると、ちょうど研究を終えた後に少し萌と話してうっかり寝落ちしてしまっていたことをやっとはっきりと思い出した。
「——は!」
思わず周りに誰かいないか確認する。
キョロキョロ
「おはよ!」
そこに立っていたのはお人形さんのように大きな目をくりくりさせながら心底可笑しそうに見つめてくる、なんとも可愛らしい少女、ではなく同じゼミにいる友人の一人だった。
「誰!?って鳴海かぁ……」
一瞬悠真かと思ったけど違ったのか。びっくりした……。
「何?悠真くんかと思った?」
「へ?そ、そんな訳ないじゃん!」
咄嗟に出た嘘だったけど、考えてたこと当てられたから動揺しながら返事しちゃった。
「ふーん」
やっぱり疑ってるし……。失敗した。
「ほんとだよ!」
「ふーん。ま、いいけどね。でも、璃奈ちゃんちまで運んでくれたのは悠真くんだよ」
「へ、へぇー。そうなんだー」
何でかな。こめかみ辺りから汗が止まらないんだけど。
「じゃ、見たところ元気そうだし私帰るね」
「あ、うん!鳴海ありがとー!!」
「はーい。じゃあ、風邪引かないんだよ。バイバーイ!璃奈ちゃん!!」
「うん!バイバーイ!!」
さっきはほんとに焦った。
・・・。
あれ?なんで私、さっき焦ったって思ったんだろ?もしかして悠真のことが?ないない。それこそ天地がひっくり返るよね。
うぅーん、、考えても分かんないし、ま、いっか!
グゥゥゥ♪
お腹、そういえば空いてたな。何食べよ?
ピコンッ♪
ん?
件名:起きた?
わぉ。絶妙なタイミング。
送信者は……っと。
送信者:朝木悠真
……悠真!?
え?何で?あ、別になんもおかしくないのか。
えぇっと、内容は……
起きたかー?
昨日、璃奈が寝てて長谷川が困ってたぞ。
後で話しとけよー。
ところで、俺の勝手な想像だけど、今頃お腹空かせてひもじい思いでもしてんだろ?
てことで、今からそっち行くから大人しく待っとけよ。
実に悠真らしい文章だった。
そっか、萌を困らせちゃってたのか私。後でちゃんと謝っとかなきゃ。
悠真は……後で軽く怒ってやろ。あ、勿論お礼も言うけど!
それより何なの?あの言い草は!まるで私が食いしん坊みたいな!!そう!腹ペコ大魔神みたいなこと書いて!ご飯が来るのは嬉しいけど……さ、さ最っっっ低!!!!
---45分後---
遅い、遅すぎる!あいつの家は私んちに近いはずなのに!!
ピンポーン♪
今すぐインターフォン越しに遅い!と言いたいけれど、それは流石に周りに迷惑が掛かってしまうので我慢。渋々立ち上がってドアを開けに行く。
ガチャ
「よ!」
あ、駄目だこりゃ。抑えがもう効かない。
「——よ!じゃないわよ!!遅すぎでしょ!あんたんちから私んちまでどのくらいかかると思ってんの!?たったの10分!たったの10分よ!!」
あまりの剣幕に「よ!」と挨拶をした口をぽかんと開けながら固まっていた。すると、思い当たる節があったようで
「あぁ、いやいやごめん。実はさ……」
「中に入れば?外じゃあれだろうし」
「おう、そうする。ありがとう」
「別に」
現在、感染症が前より落ち着いたとはいえ、まだまだ不安は拭えないのでしっかりと石鹸で手を洗ってもらった後、話を聞くことにする。
「で、遅くなった理由は?」
「実はさ……」
それから悠真が話したのは嬉しくもあるけれど、人によってはお節介が過ぎるような内容だった。
簡単に言えば、私が寝ていて起こしても起きなかったのでよほど研究内容が難しかったのか、疲れが溜まっているのかのどちらかだろうと推測し、私の好きなものを買って来てくれようとしたらしい。
ここからが問題で、その好きなもの……唐揚げが珍しく売り切れていたらしく、色々な場所を転々と回って探していたら、いつの間にか時間がかかってしまっていて、今に至る。
とのことだった。
「あのねぇ……」
「ほんとごめんって!でも結局ちゃんと見つけて買ってきたから許して!!」
「そういうことじゃなくて……」
「え?」
「メールの時から思ってたけど、あんたから見た私はどんだけ食い意地が張ってるのよ!別に好きなものが無かったからってそこまで怒らないわよ!……でも、ありがと」
思ったよりも声が小さくなってしまった。
けど
「うん!じゃ、ご飯食べよー!!」
と嬉しそうにしていたので結果オーライかな。