ゼミはいつも朝の9時から始まる。でも、教授が自由な人だから遅刻しても怒られないし、なんなら研究しながらしょっちゅう休憩だってしてる。つまり、全体的に自由で楽。その代わり、他のゼミの人達からはゼミの事になると、私の所だけ嫌ってくるけど。
今日も私は朝起きられなくて昼の13:00くらいに大学に着いた。言い訳がましいことを言うと、実は他の人達(15人中10人)も同じように遅れて来ている。
だから、決して私だけが特別な訳ではない。

「こんにちはー!!」
「お!やっと来たね!」
「もう!!やっと来たね!ってまだ、来てない人沢山いるじゃん」

それもそのはず、私は一応来た人の中では8番目で早い方だから。

「先輩だからこそ言ってるんですよぉ。後輩にきちんとしたところ見せないとぉ」
「ちょ、まってまって、何それ。キモいって!」
「・・・?(きゅるるん)」

ことあるごとに上目遣いしてくるけど、正直言って全くときめかない。

「あのねぇ、萌も同じ先輩でしょうが!」
「あはは!璃奈おもしろーい!!からかい甲斐があるね!」
「人のことからかわないの!特に私には!!」

そう。萌はしょっちゅう、毎回といっていいほど私のことばかり揶揄ってくる。少しぐらい自重してくれたらいいのに。
しかも誰も助けてくれないなんて……。
うぅ……なんて可哀想な私。


---pm20:00---

「ふぅー!!やっと終わった!」
「お疲れー!!ねね、今日どうする?」
「えー今日?うーん……やめとこー?それより私は眠くて死にそう……ムニャムニャ」

いつも研究が終わったら私と萌の二人で飲みに行くことが多い。何で二人でかっていうと……お酒に私たちは弱いから。でも、飲みたくてノンアルを飲みに行ってるなんて知られた日には揶揄われることが分かってるから二人だけで行ってる。私と萌だけの秘密。

「えぇー分かったよーほんとに璃奈眠そう……というよりもう寝てるしね」