左側面から敵機のガトリング砲の掃射を受け弾幕に触れ爆発する。
強烈な爆風、紅蓮の炎と黒煙の壁が出来上がる。
それを障壁代わりにして、さらに爆風と利用してふわりと浮いた機体を姿勢制御用スラスターを噴射して右にスライドする。
刹那、正面の敵機から放たれた貫通弾が脇をかすめす。
無言でトリガーを引き正面の敵機の動きを封じるのと同時に操縦席のハッチを強制開放する左側の敵機を肉眼で確認し爆粉塵型弾幕でセンサーもカメラもの効かないこの瞬間を逃すことなく、手製のスコープをのぞき込み貫通弾を二発撃ちこむ。
一発目は、敵右側に着弾し二発目はわずかに外れる。
瞬時に軌道修正した三発目は敵機の中央を貫き黒煙を上げ沈黙する。


「全機撃破、帰還する」

「フォクス状況確認し……」

「しない!」

「姫!作戦行動中です」

「しないったら、しないの帰って食べかけのシチュー食べるの!」

「はぁ、確認し」

「しないしないしないしないいいいいい!帰還する!食べかけのシチュー食べるの!」
「アーオイ中尉作戦行動中は規則に乗っ取りわがままはしないようにお願いします」