「はぁ〜。どうしたもんかな」
薄暗い部屋で、青柳 健太(あおやぎけんた)は、白いソファーで座りながら大きくため息を吐いた。この薄暗い部屋には、健太が座っているソファー以外にほとんど物がない。無駄に広い部屋にぽつんとソファーだけが、置かれている。
この部屋は、去年まで健太の兄が使用して場所だ。健太が高校生になるのと同時くらいに独り立ちし、この家を出た。その時にこの部屋にあった物を色々と持っていたのだ。
兄は、自分の物はかなり大事にするタイプだった為、運ぶのはかなり苦労したみたいだった。そんな中、この座り心地が最高な白いソファーだけが、残された。兄は、最後までこれを持っていきたがっていたが、両親に説得され諦めることにした。
理由は、単純で、部屋から出すのか非常に困難だったからだ。兄の部屋と健太の部屋は、2階にあり、一階に降りるには、一番右にある階段を使わないといけない。その階段に向かう途中に曲がり角があり、そこがソファーを通すことが出来なかった。
そんな感じで、兄はソファーを持っていく事が出来ず、今ではありがたく使わせてもらっている。いつもこの部屋を使っているわけではないが、悩み事とか集中したいことがある時はこの部屋使用している。この部屋には、無駄に物がなく、今みたいに明かりを消してまえば、静かで薄暗い部屋の完成。そして、ソファーに寝転び、考えをまとめる。
そして、今回は悩み事があってこの部屋を使用している。ため息の原因となっているスマホの画面を見た。そこには、健太のTwitterアカウントにあるDMが届いていた。DMが届いたアカウントは、普段使っていないもので、サブ垢に近いものだった。サブ垢をつくった理由は、表のアカウントでは呟きずらいことを呟くためにつくったものだ。