わたしが入っているサークルはストリート系のダンスサークルだけどインカレではなくこの大学の生徒しか入れない。



活動はとてもゆるく人もある程度優しい。飲みサーと言うほどでもなく治安も良好といえる。


ある程度良好な人間関係も作るためには最高のサークルだろう。



よくわからない四角いおしゃれなピザを食べてから紫音とサークルに向かう。

「紫音来週の火曜日空いてる?もしよかったらさっき話した海鮮丼食べ行こうよ」

「ああ、ごめん!火曜はダンススクールある」


紫音には夢中になれるものがある。
のらりくらり過ごしている大学生が多いからこそわたしには彼女が輝いて見える。


「そっか!やっぱすごいね、頑張れ!」

「また行こ〜ごめんね!」

「ううん、ふつうにちゃんとダンス頑張ってるのかっこいいと思う」

思っていることを口に出してみる。


「そんなことないよ、ありがとう、でもわたしは不器用だから上手くなるためには何倍も頑張らなきゃなんだ」


人より上手くなりたいから何倍も頑張るなんてそんなこともう何年もしてない。


そういうところが眩しくて少しだけ妬ましいんだという言葉は心に留めておいてサークルに向かう。

ふとあの夏の砂埃の匂いを思い出す。