「どうだった?」
音羽さんは自身満々で聞いてきた。
「本当に思っていたよ」
音羽さんは嬉しそうにしていた。
「でしょ!なのに俺のせいで....とか言うの?」
「ごめん」
自分でも矛盾してるのがわかる。
心が見えるのに音羽さんの気持ちを無視したんだ。
「もう無視しないで?一緒にいて」
泣きそうな顔をした彼女を見て申し訳なくなった。
彼女に迷惑をかけないために離れたのに結果的に悲しませてる。
「俺はこれからも音羽さんを困らせるよ」
ごめんなさい、許してほしい。
「いいよ!そんな事で嫌いになるわけがないんだから」
それなら、それなら俺は.....!
「もっと頼ってほしい」
俺は、音羽さんと一緒に生きていきたい。
音羽さんなら信じられる。
「俺......!好きだ。音羽さんのこと、大好きだ」
大粒の涙が頬を伝う。
音羽さんも泣いていた。
悲しい涙ではなく温かい涙。
「うん.....!私もだよ」
嬉しい、幸せ、希望。
心の中にそれしかない音羽さんと俺は付き合ってもいいのか。
音羽さんのことが好きで好きでたまらない。
2つの矛盾した気持ちはきっとこれからも心の中にあり続けるだろう。
それでもその気持ちを小さくできるように。軽くできるようにしたい。