「誰だ?お前」
「ただの生徒会長」
「生徒会長?」
「颯太!!この人郡司沙耶ちゃんだよ!」
「お前知ってんのか?」
蒼井颯太の隣に誰かいる。こいつとは違い私を知っているようだ。まぁ別に知られてなくてもいいが在籍してる学校の生徒会長を覚えてないなんてやばいだろこいつ。
「知ってるに決まってんじゃん!!去年も生徒会長になってたし顔と頭もいいし運動も性格もいいって3年だけじゃなくて後輩の間でも有名なんだよ!!」
「へー」
「お前ちょっとは興味持てっての」
「ねえ沙耶ちゃん連絡先交換しない?」
蒼井颯太じゃない方が連絡先を要求してきた。誰だこいつ。3年だとは思うが多分話したことはない。しかもいきなり下の名前で呼ぶか?普通。
「お前のすぐ交換先連絡する癖まじで不快なんだけど」
「ちょっと颯太うるさい 俺の名前は一ノ瀬るき!気軽にるきって呼んでね沙耶ちゃん」
どうやら初対面でありながら連絡先を聞いてくるこいつは「一ノ瀬るき」という名前らしい。その名前でピンときた。よく話題になっている。イケメンでスポーツもできるので女子には学年問わずモテモテらしい。こいつもある意味噂になっている。
「沙耶ちゃんまじで可愛いね!これで頭良くて運動もできるとかまじで惚れる!」
「るきそういうくだらないことはそろそろやめろ」
「はいはい」
この2人は行動を見てる限り随分仲が良いようだ。
「で生徒会長さんが何の用?」
鼻につく言い方だ。
「先生から言われたの。あんたのネクタイが緩くなってるから注意してこいって。あなたって喧嘩はできるのにネクタイはきちんと結べないのね。どんな脳みそしてるのかしらー?」
うざいやつにはうざい返しを。
「それはご苦労なこった。完全無欠の生徒会長さんもネクタイがちょっと緩んでるだけで許せなくてわざわざ俺を探してくるとは。」