もう!青王様も穂香さんも本当にじれったい!
あんなに長い時間一緒にいたんだから、お互いの考えていることぐらいわかるでしょ、って思う。

でも、穂香さんは人間であることを気にして、自分の気持ちに(ふた)をしているように見える。きっとそれさえなければ、青王様にしっかり気持ちを伝えることができる人だ。

青王様に組紐を贈ったのはたぶん、空良様が青王太子様の髪を短く切り手入れをしていたことを思い出したから。
穂香さんはよく青王様の髪をチラチラと見て、なにかを気にしている感じだった。自分がいなくなってから伸ばしっぱなしにしている髪を、あんな粗末なもので結っていることに心を痛めていたんだろう。

青王様だってずっと穂香さんのことを気にしてて、大切に思っているし好きなんだよね。だけど穂香さんの気持ちはわからないからなんて言って、ただ聞く勇気がないだけじゃない!

お互いに、相手がどう思っているかわからない、気持ちを伝えても困らせてしまう、って勝手に思ってなにも言えないでいるなんて、そんなのもったいないよ...