教室に着き、ランドセルを下ろした私は隣を見て、ため息をついた。
私の隣の席は涼晴くん。
授業中見たり、話したりできるのは嬉しいんだけど、教室に入った途端、女子も男子も押し寄せてくるから、話せなくなるんだ。
私にとって涼晴くんの隣は、唯一の安心できる場所。
でも夢みたいな時間はいつも、あっという間に過ぎていく。
「はぁ~」
私はさらに重いため息をついた。
丁度その時、
「心音ー!」
隣のクラスの子に呼ばれた。自分の席から立ちあがり、ドアの近くへ行く。
「おはよう」
「ねぇねぇ。クリスマスパーティーどうする?」
私の挨拶にも返事をせず、勝手に話を振ってきたこの子は、蓮香維那(はすかゆいな)。
そう。
私が学校に行きたくない理由は維那がいるからなんだ。維那は、六年一組をまとめるリーダー的存在で、維那の近くにはいつも取り巻きがいる。
私と維那と一組の葉方冬麦(はかたむぎ)、そして二組の香月朱璃(かづきじゅり)。
あともう一人、一組の子を合わせてグループだった。
でも少し前、維那と冬麦はその子を仲間はずれにした。ケンカしたとかじゃないのに、突然。
明るくていい子だったのに。
なのに、先生にも周りにもバレないように、悪口を言ったり、少しずつ遊びに誘わないようにしたり。その子は今、完全に孤立してしまっている。
大丈夫かな。一人でいる彼女を見るたび、心配になる。あのとき私が勇気を出してなにかしていれば……。
後悔の気持ちでいっぱいになるけれど。
それでも裏表のない彼女のことだから、きっとすぐ新しい友達ができるだろう。
私の隣の席は涼晴くん。
授業中見たり、話したりできるのは嬉しいんだけど、教室に入った途端、女子も男子も押し寄せてくるから、話せなくなるんだ。
私にとって涼晴くんの隣は、唯一の安心できる場所。
でも夢みたいな時間はいつも、あっという間に過ぎていく。
「はぁ~」
私はさらに重いため息をついた。
丁度その時、
「心音ー!」
隣のクラスの子に呼ばれた。自分の席から立ちあがり、ドアの近くへ行く。
「おはよう」
「ねぇねぇ。クリスマスパーティーどうする?」
私の挨拶にも返事をせず、勝手に話を振ってきたこの子は、蓮香維那(はすかゆいな)。
そう。
私が学校に行きたくない理由は維那がいるからなんだ。維那は、六年一組をまとめるリーダー的存在で、維那の近くにはいつも取り巻きがいる。
私と維那と一組の葉方冬麦(はかたむぎ)、そして二組の香月朱璃(かづきじゅり)。
あともう一人、一組の子を合わせてグループだった。
でも少し前、維那と冬麦はその子を仲間はずれにした。ケンカしたとかじゃないのに、突然。
明るくていい子だったのに。
なのに、先生にも周りにもバレないように、悪口を言ったり、少しずつ遊びに誘わないようにしたり。その子は今、完全に孤立してしまっている。
大丈夫かな。一人でいる彼女を見るたび、心配になる。あのとき私が勇気を出してなにかしていれば……。
後悔の気持ちでいっぱいになるけれど。
それでも裏表のない彼女のことだから、きっとすぐ新しい友達ができるだろう。