そういえば、昨日の帰り。
木刀買えなくて落ち込んでいる私に涼晴くんは言ってくれた。
『中学校でも色んなところ行くんだしさ、そこで買えばいいじゃん。な?ほら、手出して』
言われた通りに私は手を出した。
そこに、お土産のアメを置いてくれたんだっけ。
その後は昨日いつ寝た、とかどうでもいい、他愛もない話をした。
嬉しかったし楽しかったな。
中学校、か。
行ったら、涼晴くんはもっと人気が出て、話すこともできなくなるんだろうな。
やだな。
もっと一緒にいたいって思ってしまう。ただでさえ、私が手を伸ばしても届かない人なのに。
隣を歩いている涼晴くんをチラッと見る。
好きなのか、好きじゃないのか。揺れ動く心の中。
彼はなんで私と仲良くしてくれるのだろう。
いつもは会話が途切れないのに、今日はお互い静かに歩く。なにか明るい話題を、と思うけど、なにも浮かばない。それでも、居心地は悪くなかった。
どうか、どうか中学に行っても一緒にいられますようにと願う。そして、どうか彼も同じことを願ってくれていますようにと願う。ないものねだりとは分かっていても。今だけは。
そんなことを考えていると、あっという間に学校に着いた。
……入りたくないな。今すぐ逃げ出してしまいたい。
でも、出来ない。
だから、行くしかないんだ。
私は、地面に貼り付きそうな重い足を一歩、また一歩と踏み出した。
木刀買えなくて落ち込んでいる私に涼晴くんは言ってくれた。
『中学校でも色んなところ行くんだしさ、そこで買えばいいじゃん。な?ほら、手出して』
言われた通りに私は手を出した。
そこに、お土産のアメを置いてくれたんだっけ。
その後は昨日いつ寝た、とかどうでもいい、他愛もない話をした。
嬉しかったし楽しかったな。
中学校、か。
行ったら、涼晴くんはもっと人気が出て、話すこともできなくなるんだろうな。
やだな。
もっと一緒にいたいって思ってしまう。ただでさえ、私が手を伸ばしても届かない人なのに。
隣を歩いている涼晴くんをチラッと見る。
好きなのか、好きじゃないのか。揺れ動く心の中。
彼はなんで私と仲良くしてくれるのだろう。
いつもは会話が途切れないのに、今日はお互い静かに歩く。なにか明るい話題を、と思うけど、なにも浮かばない。それでも、居心地は悪くなかった。
どうか、どうか中学に行っても一緒にいられますようにと願う。そして、どうか彼も同じことを願ってくれていますようにと願う。ないものねだりとは分かっていても。今だけは。
そんなことを考えていると、あっという間に学校に着いた。
……入りたくないな。今すぐ逃げ出してしまいたい。
でも、出来ない。
だから、行くしかないんだ。
私は、地面に貼り付きそうな重い足を一歩、また一歩と踏み出した。