誰もいないガランとした空き教室につき、息を整える。
 昨日のことがあったからだろうか。
 飛び降りたいとか、そういうことよりも、今は目の前にいる人たちを大切にしたい。
 そう思えるようになった。
 だから、私は。
 声にならなかった悲痛な思いを、叫びをメモに書くよ。
 私はメモ帳に、

 もう無理だよ。
 生きる希望を見失った。
 私、幸せになれるのかな。

 そう書いた。
 書き終わった瞬間、目から涙がこぼれ落ちた。
 この思いが誰にも伝わることがなくても、誰にも理解されなくても、それでいい。
 私が、未来の自分のために残したメッセージ。
 未来の私が落ち込むことがあっても、再び前を向けるように。
 大丈夫、私生きてる!ってそう思えるように。
 こんな時もあったな、今は幸せだよって言えるように。
 そのあと教室に戻ったけど、先生は話しかけては来なかった。
 今日は嫌な日とか、運が悪い日とか、一言では片づけられないくらい残酷な日だった。
 それでも今日の私を、少しは好きになれた。
 今はそれだけでいい。