4,いじめの終わり
 次の日の休み時間
 「今日は、逃げんなよ」
 そう先生に言われて、手を強く掴まれた。
 あの時、純玲と緋緒里が心配して来てくれたから、私はこれは逃げじゃないって思えたんだ。
「逃げてるわけじゃありません!だいたいあなた方が悪いんじゃないですか?私は、ただ自分が傷つかないように、苦しまないように……自分を守っているだけです」
 今まで出てこなかった、私の「心の叫び」が出た。
 言え、た。
 弱々しい声だったけど、ちゃんと言えた。
 だけど、
「お前、先生に口答えすんのか!」
 伝わるかどうかは別だ。
 どうやら、私の声は届かなかったみたいだ。
「先生には、一生分かんないですよ!」
 分かるわけがない。理解できるわけがない。
 ちょっとでも期待した私がバカだった。
 私は先生の手を振り切って、駆け出した。