次の日、昼休み前。
 「心音ちゃん。朱璃ちゃん。ちょっとこっち来て。」
 担任の緑野先生に呼び出された。
 この先生、男性なんだけど、馴れ馴れしいっていうか。いつもちゃん付けなんだよね。
 「あの事についてくわしく聞きたいんだけどいいかな。」
 もう話すことなんかないのに。
 っていうか私、先生のこと信じてないから。
 四、五年生の時もいじめられて先生に相談したら、なんか私が悪いみたいな感じになって。話も聞いてくれなくって。
 だから、嫌なんだよ。
 また同じことになって、これ以上私が傷つくのは。
 「今まで、話した通りです。」
 「でもさ、向こうは心音ちゃんも悪口を言っていたって言ってるんだよ。」
 嘘。
 そんなの絶対嘘。
 「違います!私、何も言ってません!」
 「心音はただ言われただけで。」
 朱璃も一緒に反論してくれる。