はぁ~、やっと帰れる。
 一旦、今日は帰ってまた明日の休み時間にってことになった。
 涼晴くんは?
 教室に入ると、先生と涼晴くんが話している姿があった。
 「大丈夫?」
 涼晴くんが私に気付いて声をかけてくれる。
 「うん。大丈夫。」
 「帰ろう。」
 昇降口で靴を履き替える。
 涼晴くんが気を使って聞いてこないから自分からなるべく明るい声で話した。
 思い出すと、やっぱり私がダメだったのかな、私が嫌なことしちゃったのかなと思って、涙が出そうになった。
 でも、泣くわけにはいかないから。
 いつもの道も、なぜだか暗く見えてくる。
 結局、その数十分じゃ足らなくて。
 少しだけ遊ぶことにした。
 荷物を置きに家に帰る。
 家に入った瞬間、堪えていた涙があふれだして止まらなくて。
 玄関に立ちつくして少しの間だけ泣いた。