今日は曇っていた。私の心も、空と同じな気がしていた。
「喜子?大丈夫?」
和華奈は、私の気分が落ちていることに気づいている。
「大丈夫じゃない。昨日真野くん、いなかった。やっぱり真野くんのこと傷つけちゃったかもしれない」
そっか、と和華奈は言って、一日寄り添ってくれた。和華奈は、休み時間には私の隣でいつものように話して、お弁当を楽しそうに食べて。寄り添うと言っても、いつものように接してくれただけ。でも、それだけで心強かった。
それだけで、真野くんと向き合う勇気が出た。
「和華奈のおかげで元気出たかも」
「そう?よかった」
「ありがと。和華奈。今日も図書館行ってみるよ」
和華奈は、頑張れと頷いてくれた。
図書館への道は、真野くんが居るかの不安と、久しぶりに真野くんに会う緊張感で、少し長く、遠く感じた。
気持ちを落ち着かせるために、深呼吸。そして慎重にドアを開けた。
真野くん、居る。本を読んでいる。
「真野くん、久しぶり」
「久しぶり。遠藤さん」
「あの、真野くんに謝りたいことがあって」
真野くんは、何が?と言いたげな顔をした。
「この前、私、真野くんを傷つけた。本当にごめんなさい」
「ああ、あれは、自分の失態を思い出して悔やんでいただけ。傷ついてなんていないよ。それに昨日来れなかったのは、体調が悪かっただけだから」
真野くんは、大丈夫だよと続けた。
そうなんだ、私はそう言って安心した。でも、真野くんの言っていた、「失態」とは何だろうと同時に思った。
真野くんは、明るい人だと思っていた。だからこそ、真野くんが心配だった。
前回のことがあるし、真野くんに聞くのは躊躇した。いつか、真野くんの様子を見て、聞いてみようかな。
遠藤さん、僕のことを気遣ってくれてるんだ。気持ちが表情に出てしまったから。
そろそろ、僕も自分の悩みにしっかり向き合わなければ。
「和華奈ー。真野くんに謝れた」
「よかったね、喜子ー」
和華奈は、私を抱きしめて、そう言った。自分ごとのように、喜んでくれた。
私は、昨日のことを全て和華奈に話した。
「でもね、真野くんが言ってた、失態って何だろうと思って」
「真野くん、何か抱えているのかもね」
そうだよね、私はそう言って今までの真野くんとの会話を思い出そうとした。
そういえば。私が学校生活について、真野くんに聞いた時、真野くんは悲しそうな顔をした。学校で苦い思い出があったのだろうか。
「今度は、私が真野くんを助ける。この前は、私が救われたから」
「応援してる。何か困ったら、いつでも相談して。喜子の力になりたいから」
「うん!和華奈がいてくれると、心強いよ」
和華奈は、にっこり笑った。太陽を浴びる向日葵のように。
今日は、暑いくらいに晴れていた。雲のない青空。真野くんの気持ちも、こんなふうに、晴れてくれたらいいな。
真野くんは、何もしていなかった。何もせず、佇んでいた。図書館の外にある大きな木のよう。
「真野くん、こんにちは」
「遠藤さん、こんにちは」
真野くん、少し元気がなさそうに見える。いつものような笑みがない。
「今日は、来たばっかり?」
真野くんは、首を横に振った。
「いつも通りの時間に来た。考え事してた」
そうなんだ、と言い、どのように真野くんに聞こうか迷っていた。
「何か僕に聞きたいことがあるの?」
心を読まれていた。表情や動きに思考が出ていたかもしれない。少しドキッとした。
「あのー、前に真野くんが言ってた、失態って何だろうって思ったの」
彼は、控えめに深く呼吸をして、ゆっくり話し始めた。
「喜子?大丈夫?」
和華奈は、私の気分が落ちていることに気づいている。
「大丈夫じゃない。昨日真野くん、いなかった。やっぱり真野くんのこと傷つけちゃったかもしれない」
そっか、と和華奈は言って、一日寄り添ってくれた。和華奈は、休み時間には私の隣でいつものように話して、お弁当を楽しそうに食べて。寄り添うと言っても、いつものように接してくれただけ。でも、それだけで心強かった。
それだけで、真野くんと向き合う勇気が出た。
「和華奈のおかげで元気出たかも」
「そう?よかった」
「ありがと。和華奈。今日も図書館行ってみるよ」
和華奈は、頑張れと頷いてくれた。
図書館への道は、真野くんが居るかの不安と、久しぶりに真野くんに会う緊張感で、少し長く、遠く感じた。
気持ちを落ち着かせるために、深呼吸。そして慎重にドアを開けた。
真野くん、居る。本を読んでいる。
「真野くん、久しぶり」
「久しぶり。遠藤さん」
「あの、真野くんに謝りたいことがあって」
真野くんは、何が?と言いたげな顔をした。
「この前、私、真野くんを傷つけた。本当にごめんなさい」
「ああ、あれは、自分の失態を思い出して悔やんでいただけ。傷ついてなんていないよ。それに昨日来れなかったのは、体調が悪かっただけだから」
真野くんは、大丈夫だよと続けた。
そうなんだ、私はそう言って安心した。でも、真野くんの言っていた、「失態」とは何だろうと同時に思った。
真野くんは、明るい人だと思っていた。だからこそ、真野くんが心配だった。
前回のことがあるし、真野くんに聞くのは躊躇した。いつか、真野くんの様子を見て、聞いてみようかな。
遠藤さん、僕のことを気遣ってくれてるんだ。気持ちが表情に出てしまったから。
そろそろ、僕も自分の悩みにしっかり向き合わなければ。
「和華奈ー。真野くんに謝れた」
「よかったね、喜子ー」
和華奈は、私を抱きしめて、そう言った。自分ごとのように、喜んでくれた。
私は、昨日のことを全て和華奈に話した。
「でもね、真野くんが言ってた、失態って何だろうと思って」
「真野くん、何か抱えているのかもね」
そうだよね、私はそう言って今までの真野くんとの会話を思い出そうとした。
そういえば。私が学校生活について、真野くんに聞いた時、真野くんは悲しそうな顔をした。学校で苦い思い出があったのだろうか。
「今度は、私が真野くんを助ける。この前は、私が救われたから」
「応援してる。何か困ったら、いつでも相談して。喜子の力になりたいから」
「うん!和華奈がいてくれると、心強いよ」
和華奈は、にっこり笑った。太陽を浴びる向日葵のように。
今日は、暑いくらいに晴れていた。雲のない青空。真野くんの気持ちも、こんなふうに、晴れてくれたらいいな。
真野くんは、何もしていなかった。何もせず、佇んでいた。図書館の外にある大きな木のよう。
「真野くん、こんにちは」
「遠藤さん、こんにちは」
真野くん、少し元気がなさそうに見える。いつものような笑みがない。
「今日は、来たばっかり?」
真野くんは、首を横に振った。
「いつも通りの時間に来た。考え事してた」
そうなんだ、と言い、どのように真野くんに聞こうか迷っていた。
「何か僕に聞きたいことがあるの?」
心を読まれていた。表情や動きに思考が出ていたかもしれない。少しドキッとした。
「あのー、前に真野くんが言ってた、失態って何だろうって思ったの」
彼は、控えめに深く呼吸をして、ゆっくり話し始めた。