この気持ちを、彼にだけ反応する心の動きを、ずっとずっと覚えておこう。 次に会えた時、すぐに亮太だって分かるように。 一秒でも早く、また彼に恋をするために。 「絶対にお前に会いにいくけん、忘れとったら許さねーぞ」 「そっちもね」 「俺が幸せにしてやるから、覚悟しとけ」 「やだよ。私が亮太を幸せにするの」 「はは。じゃあ、次はよろしく」 私は彼に手を引かれて立ち上がった。 ここは優しい風が吹く、最果ての街。 ――人はここを、天国と呼ぶ。 END