『10月1日月曜日
もう、何もかもが辛い。生きているのってこんなにも苦しいんだね。早く、楽になって、どこか遠くへと飛んでしまいたい。』
『10月2日火曜日
どこでもいい。どこでもいいから、声をあげて泣きたい。でも、私には泣く資格さえもないんだ。だって、興味本位でこの世界足を踏み入れたから。嗚呼、声をあげて、大きな声で、自分を取り繕わずに、泣いてしまいたい。仮面を外したい。』
『10月18日木曜日
最近沢海君が学校をよく休む。どうしてだろう。早く来てほしいな。』
『10月19日金曜日
今日ね、死にたいって初めて口にした。もちろん誰もいない所でね。もちろん小さい声で。そしたら、不思議な感じがした。みんなそうなのかな?死にたいってよく口にする人は。でもね、死にたいって言ってしまった後、なんか、罪悪感といろんな感情が混ざった複雑な感情に駆られて、ちょっとだけ気持ち悪かった。でもね、ちょっとだけ嬉しかった。その言葉を形にできたことが。でもね、やっぱり少しだけ苦しかった。だって私も軽々しく死にたいっていうような人間になってしまったんだもん。私も、希死念慮や自殺願望の言葉を届かなくしている人の一人になった気がした。もう嫌だ。死にたいって言いたい。大きな声で、泣き叫びながら。ねぇ、死にたい人が死にたいって隠さず言える、そんな世界に早くなってよ。生きたい人が死にたいっていうような世界じゃなくてさ。軽々しくて言う言葉じゃなくてさ。死にたいっていうだけで、希死念慮や自殺願望の声が届く、そんな世の中になってよ。』
『10月23日火曜日
昨日、沢海君が早退したから、今日彼に聞いてみた。そしたら、病院って、私の目を見ずに言った。多分彼は病気を患っている。彼に、死んでほしくないな。もう、お父さんがいなくなった時のような感情には浸りたくない。』
『10月24日水曜日
前に、本当は将来の夢があるって書いたでしょ?本当はね、私にも夢があるんだ。ねぇ、なんだと思う?本当はね、私、お医者さんになりたいんだ。病院とかで働いているお医者さんじゃなくて、紛争地域とかで働いて、命を助けている、偉大なお医者さん。そんな人になりたいんだ。なんでかとていうとね、うーん。なんていうんだろう。死?ていうのかな。ずっと誰かに命を狙われていて、明日だってもう不安定な人たち?ていうのかな。誰かに命を狙われていても、明日がなくなるかもしれない人達の生きている姿を見たいんだ。私と同じで明日が見えない人?あ、ちょっと違うな。私の場合は明日があっても見えない?けれど、紛争地域とかにいる人は、もう本当に明日があるか分からないって感じでしょ?必死に命を抱えて生きているでしょ?だから、そんな人たちを助けたい。病気とかになってしまった人たちを助けたい。それで、その人たちの笑顔が見たい。生きることに希望を持った人たちの笑顔をね。そうしたら、私はこの闇から出られるかもしれないでしょ?だって、そうやって人を助けたり、笑顔が増えたりしたら、私の生きる意味?が見えて来るかもしれないでしょ?価値っていうものが上がったりするでしょ?だから。だから、紛争地域みたいなところで働きたいんだ。紛争地域みたいなところで働いて、国の偉い人達の欲で始まった紛争や戦争で笑顔を奪われてしまった人たちに、私の幸せみたいなものを分けて、笑顔を増やしたいんだ。そうしたら、私だって、幸せになったり、笑顔になったり、生きる価値が上がったりするかもしれないでしょ。生まれた意味が分かるかもしれないでしょ?ねぇ、すてきな夢だと思わない?綺麗な夢だと思わない?夢ってホント綺麗だよね。だって、叶わないから。』