このまま目をつぶって、もう目なんか覚めなければいい。死んでしまえばいい。
 明日なんて来なければいい。未来なんてなくなればいい。
 明日が怖い、未来が怖い。汚れていく自分が怖い。
 そして、なにより、明日が、見えない。明日が来ても、その日の明日が何も見えない。
 だから、自分を隠した。死にたいと思う前の自分の、笑顔だった自分をみんなに見せた。
 誰にも、こんな汚い自分を見せないために。
 こんなことをむやみに思っている、浅はかな人間だと思われないために。